2019年7月8日月曜日

「里見女流5冠のプロ棋士編入試験に王手」について



女流棋士の里見香奈女流5冠が、男性プロ棋士相手に好成績を収めている。そして、次の対局に勝つと、プロ編入試験を受けられる規定をクリアすることになる。

元ネタ記事はスポーツ報知です。

はじめに、僕は里見さんの大ファンで、家にパネル写真を飾っているほど(上の写真です)。だから約2年前に年齢制限で奨励会退会となったときは本当にショックだった。でも、その後の女流棋戦では無双の活躍をみせていることが嬉しく、近いうちに前人未到の女流7冠(全冠制覇)となることを期待している。

そんな中、ふと(ってわけでもないですが)訪れたプロ棋士編入試験のチャンス。普通に考えたらファンとして喜ぶべきことなのだけど、実際に受けることになれば少し微妙な気持ちにもなる。

それは、他の奨励会を退会した三段の男性たちと比べ、里見さんはプロ公式戦に参加できるチャンスが大きく、必ずしも公平とは言えないからだ。というのは、プロ公式戦には女流棋士枠があり、トップの成績を持つ女流棋士は、毎期のプロ公式戦に参加できることになっている。

もちろん、女流棋士の中でトップにあり続ける里見さんだから参加できることなのだけど、それでもやはり釈然とはしない。そして、これは暗黙の了解みたいなものなのだけど、現役奨励会三段クラスになると、弱いプロ棋士より明らかに強いのである。

つまり、トーナメント方式の棋戦では、初戦~2回戦くらいは弱いプロ棋士と当たる確率が高いので、元奨励会三段で、現在も女流棋戦で対局を続ける現役女流棋士の里見さんにとっては、プロ棋士相手に白星を挙げることが、比較的容易ということになってしまう。

その結果、今回のようにプロ棋士編入試験まであと1勝となったことは、当然といえば当然のことであり、遅かれ早かれ実現することではないかと思っている。

気になるのは、その権利を獲得したときに、里見さんが受験を決断するかどうか。確か以前なにかのインタビューでは、編入試験のことは考えていないと話していた。その時は、年齢制限による退会のけじめをつけ、女流棋戦に専念する潔さがうかがえた。だから今回もその時になったら権利の行使をしないのではと推測する。

ただ、将棋界にとって女性棋士の誕生は大きな話題でもあり、少なからぬファンにとっては悲願でもあるはずだ。もちろん、一度は敗れたとはいえ、プロ棋士になることが目標だったわけだから、里見さんにとっても大きな再チャンスであることは間違いない。自身の想いと、世論の後押しもあって、受験する可能性も十分にあるといえる。

僕はやっぱり釈然としない気持ちがあるのだが、ファンとしては里見さんの決断を応援するということになるのだと思う。いずれにせよ、次の対局が大注目で、楽しみで仕方がない。まずは勝利を収めることを切に願っている。

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