2015年3月6日金曜日

アメリカン・スナイパー

アメリカン・スナイパーを見てきた。映画の題材がほんの2年前まで実在した人物であることを考えると、80歳を越えたイーストウッド監督の危機感のようなものが伝わってくる。

以下、『ピース・ウーマン ノーベル平和賞を受賞した12人の女性たち』で紹介されているベルタ・フォン・ズットナーのスピーチから。

「兵士になるのはなんと喜ばしいことか!この精神錯乱、熱病は行進の時からすでに始まっていた。愛する人との別離は堪えがたいが、それもほんの束の間。いざ同胞ち戦場に向かえば、愛する祖国を守る喜びに満たされる。(中略)我が身を勝ちあるものにするすべは、ただ一つ。この戦場で兄弟とともに義務を果たすこと。我々は、勝利へ向かって行進していることを信じて疑わない…それが狂喜を生んだ。死への勇ましい情熱が呼び起こされ、敵への憎しみが高々と燃えたぎり、戦闘が恍惚となる。命など惜しくない。死こそ、我々はに与えられた使命なのだ…」

映画ではこの「狂喜」への過程と末路としての精神の崩壊、そして家族の支えによる回復への道のりが、一つの救いとして描かれている。それだけに、その途中で殺害されてしまったことがなんとも言えず重い。

(安倍)日本アカデミー賞を総ナメにした「永遠のゼロ」なんかより、絶対に「いま」見るべき映画だと思う。

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