最後の「日米同盟と沖縄」と「沖縄県知事選とアメリカとの付き合い方」が、これからの沖縄問題を考える上で参考になった。国際的視点と国内的視点、そして時間軸を移動しながらの論考は、国際政治学者の肩書きに恥じない内容だった。
いずれやってくると予想する「米国の撤退」から、アジアの経済・政治・安保分野における協力と統合を主導するために、沖縄の地政学的利点を生かした「アジアのハブ」化は、本書の中で一番挑戦的な提案に感じる。
自身の立場を自覚し、誤解を恐れず書かれた文章は、納得できなくても好感を持てる。ただ本のタイトルが内容とあまり関連がない気がする。日本に絶望している人がこの本を読んでも、著者のいう「正しく絶望」した後の希望には繋がらないのでは。
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