ポイント⑴ 究極の目標オリエンテッド
主人公は、歯医者でワールドトレードセンター(WTC)建設の記事を目にして以来「WTCで綱渡りする」ことを目標に定める。そこから期日を決め、仲間を集め、計画をたて、目標に突き進む。自分の持てる全てを目標の一点のみに捧げこむ。主人公の自分に正直で自信に満ちたその姿がカッコいい。
ポイント⑵ 綱渡りがアートになる瞬間
主人公が劇中で繰り返し言う単語。それは「クー(クーデター)」。ストリートで綱渡りをして、観客からお金を貰うのはパフォーマンス。綱渡りをして社会の常識や価値観、規則を破壊するのはアート。パフォーマンスの一線を越え、アートの世界に足を踏み入れる変化が描かれている。綱渡りが芸術として命を持つ瞬間がカッコいい。
ポイント⑶ 高い所はやっぱり怖い
WTCの屋上から下を見降ろす。想像だけでも足がすくむ。自分なら10メートルの飛び込み台の上だって足がすくむだろう。主人公の仲間の一人に高所恐怖症の男性がいるのだが、彼に物凄く共感できる(というか何でそこにいたのって言いたくなる)。彼がいたからこそ「高さ」と「恐怖」がよりリアルに伝わってきたのは間違いない。影の主人公。
他にも書いておきたいポイントが無いわけではないが、長くなるので取り敢えず3つ。全体的には実話ベースの映画にありがちないい意味での地味さを持ちつつ、かけるべき場面には丁寧に時間をかけ、笑いも散りばめ、要所要所はきちんと締める、優等生とも言える作品だったと思う。
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