映画はチベット人の中国政府に対する焼身抗議活動をテーマとしたドキュメンタリー映画。ルンタはチベット語で風の馬(ルン=風・タ=馬)というらしい。
焼身抗議活動があることはもちろん知っていたし、中国政府によるチベット人の人権を無視した弾圧など、本当にひどい息苦しい問題だと思っていた。しかしながら「焼身」による抵抗というのは、感覚として理解できなかったし、なんかちょっと違うんじゃないか、そう思っていた。
映画とトークイベントを通じて気付いたのは「焼身」は残された最後の手段としての抵抗だということ。そしてそれは非暴力である。だから理解できないという壁にぶつかって、そこで思考停止してしまうのではなく、その行動を受け止めた上で考え、自分の姿勢を定めなくていけないと思った。
池谷監督と安部さくらさんのトークも映画に対する理解を深める上でとてもよい話となった。安部さくらさんは、何というか「自分の言葉」を持っている人で、それは自分の意見をもっている以上に魅力的に感じた。自由であるために行動を続けなくていけない、とても説得力ある発言だった。
映画でみたチベットの風景は、草原が広がり、ゲルがあり、協力隊で滞在したモンゴルを思い出した。登場したチベット人たちの澄んだ瞳をみて「誇りある生き方している」と安部さくらさんは言っていたがその通りだと思う。草原の遊牧民たちは誇りを持って自然と生きている。自分たちと自分たちの国が大好きだ。
最後に、政治的に発言のできないチベット人に代わりこの映画のガイドを務めた中原さんはすごい日本人だ。現地で30年以上生活し、現地の人に受け入れられ、そして「チベット問題」を発信し続けている。池谷監督が現地で上映会を開いたとき、中原さんが熱烈な拍手で迎えられて涙したと言っていた。
焼身が終わり、非暴力の抵抗が実を結び、自由がチベットに訪れるように、これからも応援を続けたい。
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