2010年8月28日土曜日

たまには純愛小説を



今日のUBは曇り。日中の気温は10℃ほど。上着がないと肌寒い一日です。

第142回直木賞受賞作『ほかならぬ人へ』(白石一文)を読みました。現実よりもリアルを感じる深みある内容だった。

純粋に「愛すること」がテーマの小説は久し振りに読んだ気がする。読んでいて共感と反感の狭間に気持ちが揺らいで少しこころ落ち着かなかった。

この小説の登場人物は反社会的と思われる行動をしている。でもそれが全く理解できないわけではないところに「愛すること」のどうしようもない力を感じてしまう。

同じような感覚を小池真理子の同じく直木賞受賞作『恋』でも持った気がする。この小説は純愛小説の最高傑作だと思う。

毎日のように読めるテーマの小説ではないけど、たまに読むととても考えさせられる。自分の存在価値、愛する人のことやいずれ迎える死について。

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