2010年9月30日木曜日

開発で起こりうる事件



セレンゲ県トゥンケル村の金鉱山で採掘中のショベラにー向けて発砲する事件があったようです。犯人は地元の環境保護NGOのリーダーで、この発砲による怪我人はいないとのこと。

とうとうモンゴルでもこの手の事件が起きてしまったかという感じです。

開発により村の水資源供給元である河川が干上がり、実際に家畜が死亡するなど村民の生活に深刻な影響がでている、というのが逮捕されたリーダーの主張。また河川や森林地域での開発は法律により禁止されており、今回の開発は違法行為であるとのことです。

これから世界最大規模の鉱山開発ラッシュを迎えようとしているモンゴル。当然のことながら環境に与えるインパクトも無視できないものになります。なんだか先が見えてしまったようで悲しいです。また同様の事件がきっと起こるでしょう。

2010年9月26日日曜日

同期Y隊員の「適正技術」支援

今夜は食べすぎで体が重ったるいです。食べすぎには注意ですね。。それはさておき、これまで紹介する機会のなかった同期Y隊員のブログの紹介です。

ブログはこちら

理学療法士として南ゴビの病院に赴任しているY隊員。最近、停電の時間を利用して、なんと褥瘡予防のクッションを手作りで仕上げたそうです。

材料は全て現地で調達し、ハンドメイドで作成。開発途上国支援には「適正技術」というキーワードがあります。「適正技術」とは、経済的、技術的、文化的側面を考慮した上で、現地のレベルで再現可能な技術支援を行うことです。

今回のY隊員の「褥瘡予防のクッション」はまさに「適正技術」のお手本だと思います。そして実際に患者さんにテスト使用してもらったところ好評とのこと。さすがです。

こういう本当に役立つ技術支援というのは結構難しいものです。モンゴル人は手先が器用で、刺繍くらいなら難なくこなす女性が多いので、その点から流行りそうな気もします。

バガノールの病院に赴任しているO隊員、そして今回紹介したY隊員。二人とも見ならうべきところばかりの尊敬する隊員です。本当に素敵な同期に恵まれたなぁと思います。

2010年9月24日金曜日

正しい失敗の仕方

失敗は成功のもと。一つの成功には99の失敗がある。こんな風に失敗はから学ぶことの大切さを表現した言葉は結構耳にすることがあると思います。

ただこれには一つ重要な前提条件があると思うのです。


それは「失敗の原因を外部に求めないこと」です。


今回は失敗した。その原因は○○さんの働きがいまいちだったからだ。次はもっと適任者を選ぼう。これではまた同じことを繰り返す可能性が高いです。

今回は失敗した。その原因は××機材が古くて故障したからだ。次は新しいのを買って使おう。これではまたしばらくしたら同じ失敗をすると思います。

そうではなくて、

今回は失敗した。その原因は自分の人選評価に問題があった。これからはどうしたらより的確な評価が出来るようになるか学ばなければいけない。

今回は失敗した。その原因は××機材の故障を見抜けなかった自分に問題がある。これからはもっと機材について知悉しなくてはならない。

こういう風に、原因を自らに引き寄せて考えることが必要なんだと思うのです。それが反省するということだと思います。

多くの人が分かっていながら案外してしまいがちな原因の外部転換。ここから学べることは実はほとんど無い。

同じ失敗なら明日の成功に繋がったほうが勿論いいに決まってる。自分の至らなかったところを真剣に考えよう。

以上のことを今日学びました。

『甲子園だけが高校野球ではない』



もしドラの岩崎さんが監修。この人は野球少年だったんですね。

グラウンドでは語られない高校野球の隠されたショートストーリー21篇。どれも実話でどれもほろりとしてしまういいお話。泣かせるために用意されたちょっと反則的な企画だと思った。

特に選手を陰ながら支えるマネージャーのお話が好き。あと、プラカード嬢のお話やアナウンス嬢のお話も。結局ほぼ全部のお話で涙してしまいました。。

野球に限らず、高校部活動のお話が大好き。小説でも漫画でも何でも。お勧めの作品があったらぜひ紹介して下さい。

2010年9月23日木曜日

『ノモンハンの夏』



半藤一利著、山本七平賞受賞作『ノモンハンの夏』。モンゴル在住の知人からお借りして読みました。

以前読んだ『永遠のゼロ』の読後の感想と同様に、戦争について、昭和史についてあまりにも知らなさすぎる自分を恥じる気持ちと、知ることを諦めてはいけないという思いを抱くようになりました。

ノモンハンの夏。紛争の舞台は現在のモンゴル東部、内モンゴル国境付近を流れるハルハ河周辺の草原地帯。当時は満州国と外蒙古の国境付近。

ここでソ連・モンゴル軍と関東軍が死闘を繰り広げたこと。そして関東軍の暴発が戦争に繋がっていったこと。。歴史に触れることによって自分が今いるモンゴルに対して特殊な感情が湧き上がってきます。

それは全く負の感情ではなく、日本人捕虜によって建設されたスフバートル広場を歩くときに、今まで以上に一歩一歩の足に込める気持ちが強くなる感じです。

半藤氏はこの本を通じて、当時の参謀本部のエリートたちの無責任体質を痛烈に批判しています。この批判は誰も責任を取らない現在のエリート官僚による支配層批判にそのまま当て嵌まります。

結局は何も変わっていない。変われていない。そのことにすら無自覚である市民社会がそのままであることに否応なしに気付かされます。

ハルハ河にはモンゴルに縁のあるうちに訪れてみたいです。

2010年9月22日水曜日

バガノールの病院へ医療機器を☆



「バガノールの病院へ医療機器を」プロジェクトの最終章、シリンジポンプの贈呈式に参加してきました。

バガノールの病院で活動する同期大野隊員の想いからはじまったこのプロジェクト。多くの方の支援を得て、つい先日ようやく実を結ぶことになりました。

日本国内、そしてモンゴル国内と快く募金をして下さったみなさま、ハワリンバヤルのブース出展にボランティアとして協力してくれたみなさま、本当にこころから感謝の意を申し上げます。

ご協力どうもありがとうございました!!

この贈呈式の報告、またプロジェクトの詳細は実行委員長である大野隊員のブログにて紹介しています。どうぞアクセスしてみてください。ブログはこちら

贈呈式の感想ですが、病院スタッフの方々の感謝の気持ちが真っ直ぐに伝わってきました。こんな素敵な活動をしてくれてどうもありがとう!!って感謝の言葉をたくさん頂きました。

手前味噌(??)ですが、実行委員長の大野隊員はとってもとっても素敵な人なんです。明るく元気で思いやり深く謙虚で粘り強い。こんな人になりたいなぁと思う一番の手本となる人です。こういう人のために少しでもお手伝いできたことが個人的に嬉しい収穫でした☆

2010年9月21日火曜日

meet @ Chinggis Khaan



チンギス・ハーンに会いに散歩してきました☆



トール川の沿った林の中の道なき道を歩きます。こんな所があるのは知らなかった。UBに1年以上もいるのに。



林の中をひたすら歩きます。UBは紅葉が始まっていて、薄黄色の草木に囲まれた林のなかは眩暈がします。



林を抜けるとトール川。対岸からみるザイサン丘。普段はこの丘の上からUBを眺めています。



ようやくチンギス・ハーンが描かれた山の対岸へ到着。



どうやらこのチンギス・ハーンは白い石を積んで描かれているみたいです。違ったらご指摘お願いします。



帰り道、青い空に一筋の白い飛行機雲。気温は10℃くらい。日差しはまだまだ夏のように強いけれど、少し肌寒い南風にUBの秋を感じます。

2010年9月18日土曜日

UBなう



めまぐるしい勢いで変化するウランバートル。都市化という首都の装いを日々強化しています。内面が追いつくのはいつになることやらですが。





この景色だけみるとどこかヨーロッパの国かと思ってしまいます。最近はオシャレなカフェもちらほら見かけるようになりました。

これはモンゴルの一面であり、UBの景色。そしてUBはモンゴルではない。という話はよく聞きます。でもそれって、UBの都市化へ対する反動であって一時的なもののような気がします。

UBがモンゴル。そう呼ばれる未来が来るような来ないような。

2010年9月17日金曜日

芸術の秋



日本から来ている友人に市内を案内していたら隠れ家的なアートギャラリーを発見☆気になったので入ってみました。

展示されている作品は1970年代からと比較的新しいもので、モンゴルのモダンアート(主にペインティング)が楽しめるギャラリーでした。

知らないだけで面白いものがまだまだたくさんあるものです。



今日のUBは快晴。深く澄んだ清々しい青空。こんな空をみあげるとどこまでもいけそうな気がしてしまいます。

人は旅をしているのだなぁと感じます。

2010年9月11日土曜日

とりあえずできた。



作りかけだった遊具が完成。こどもたちが大きな怪我をしないこと願います。

備考:制限重量30キロ以下。



UBは快晴。体感温度は30℃くらい。真夏のような一日でした。空が高い。

2010年9月10日金曜日

あぜん A ZEN


(写真:editor's blog / voice of KYOTOより。サイトはこちら。)

このブログでも何度か紹介しているvoice of KYOTO(サイトはこちら)の宮下氏のデザインによる「あぜん」がデビューしたようです。

あまりにもステキで息を呑むデザインなので紹介せずにいられなくなりました。

大豆、小豆、玄米、古代米の瓶詰めセット。これらはなんと世界スローフード大賞を受賞した経歴を持つブランドだそうです。

シンプルで美しく、伝統的でありながら真新しくサプライズがある。中身がもつ古来の価値を損なうことなく新しい価値を創造しているデザインのチカラを感じます。すごい!まさに「あぜん」としちゃいます。

デザインやプロデュースの仕方により、そこにあるものや日常が新しく生まれかわる。こういう取り組みはまちづくりの手法としても全国各地で実践されている。とってもワクワクします。

いつか草加せんべいをこの作品を参考にプロデュースしてみたいな。なんて思ってしまいました。

ちなみに宮下氏は香辛料のパッケージデザインもしています。こちらもステキなのでブログでチェックして下さい。⇒コチラ

2010年9月8日水曜日

自殺、うつ病の損失って何??

自殺やうつ病に起因する経済的損失が、2009年の1年間で2兆6782億円に上ることが7日、国立社会保障・人口問題研究所の推計で分かった。詳しくはコチラ

は?何それ?って思ってしまう。

毎年3万人もの自殺をしてしまう人たちがいるってことは社会的にそして家族や友人の心にどれだけの損失があるか考えたことはあるの?って言いたくなってしまう。

GDPを引き上げるから自殺予防対策をしましょうってそういう話ではないよね。勿論、そんなことは記事にも書いてないけど。

でもね、そんな経済的にカウントできる話では無いでしょ。人の命ってお金で買えないかけがえのないものなんじゃないのって思います。単純かな。

別に研究機関の人も深い意はなく、研究として数値を出したことは分かります。ただ、このデータをみることによって自殺に対する不感症って試されるのだなって思う。あまりにも客観的になってしまっているから。

『街場のメディア論』



日本辺境論の内田樹さんの最新の新書。この先生は「私⇒あなた」の感覚でお話をするから好き。意見が率直で分かりやすい。

出版業界の不調が、出版業界の内部構造に問題があるという指摘が面白かった。最近よく言われている「若者の本離れ」とか「読み手のリテラシー」の低下といったものは、責任転換の表れだっていうのも納得。

興味関心が多方面に向いている現代人を本の世界に呼び戻すには「水路作り」をするようなものっていう村上春樹の引用があるがその通りだと思う。

でも出版業界も本屋もそれなりに頑張っているよね。文庫のカバーなんかだいぶオシャレを楽しめる感覚に近付いたし、本屋大賞とか何とか大賞っていうのがたくさんできたのもいい水路なんじゃないかと思う。

あとは読み手の方でも以前紹介したブックパッカー(詳しくはコチラ)みたいなネットワークが広がっていくと本の世界もすごく多様になって面白くなると思う。

出版業界以外にも既存のメディアをなるほどって思うカタチで批判しています。新書ってことでインスタントではあるけど、興味深い情報が詰まってておススメ。

2010年9月7日火曜日

いまさら貧困



先日、最寄りの田端駅周辺にホームレスの人たちが住み着いているの気付いて少しドキッとした。モンゴルに来る1年半前には見かけなかった光景だったから。

正直ちょっと怖いなって思ったし、あぁ田端でもホームレスの人たちが生活するのが日常になってしまったんだって悲しくなった。

ほんの2,3年前には格差社会とかその延長で日本の貧困問題がだいぶ話題になっていたけど、結局は一般的な共感を得る社会問題にはならなかったのだと思う。勿論、これからなる可能性もあるけど。

開発途上国にいると、世界中の色んな国からの援助の情報が入ってきて、途上国の貧困問題っていうのは先進国の市民にとっては国内の貧困問題よりも共感を得やすいものなんだって実感する。

そう考えると、日本国内の、特に中高年層の貧困者っていうのは社会的に相当やばい状況にあるんだと想像してしまう。やりなおしのきかない社会だし、日本は。

次から次に問題というか世論みたいなものは流れていくから、よほどのソーシャルインパクトがないと問題そのものが日常と化してしまう。日本の貧困問題もそんな問題の一つになってしまうのではないか。田端をあるいてそんなことを考えた。

2010年9月6日月曜日

クジラ肉裁判の判決

平成22年9月6日。グリンピースのクジラ肉裁判の判決がでました。佐藤潤一、鈴木徹の両被告に対し、懲役1年、執行猶予3年の判決です。

クジラ肉裁判は、公金が投入されている調査捕鯨船乗組員が、不正にクジラ肉を横流ししているのを告発するため、輸送途中のクジラ肉を確保したところ、逆に窃盗罪で起訴された裁判です。

勿論、佐藤氏らにクジラを私的利益の為に横領した意志は無く、その行動と目的、そして経過について情報公開をいています。

不正に行われている事業を告発するという市民にとっての公共の利益のために、ジャーナリストやNGOが職業的性格上、軽微な犯罪を犯すことの正当性は認められないのか。これが今回の裁判の一つの大きな争点です。

今回の判決では「考え」や「情報」を盗むのならともかく、不法に建物に入り「モノ」を盗むことは度を越している、との判断だったようです。


なんかおかしいと思う。とっても公正を欠く判決だと思う


今まで不正にクジラ肉を横流し、私利私欲を満たしてきた人たちはどんな心境だろう。きっとホッとしてラッキー!くらいにしか思っていないんじゃないだろうか。

正直者がバカをみる社会、日本。それってとっても嫌な社会だ。今回の裁判の結果が、市民社会の正義ある行動に萎縮効果を及ぼさないことを願う。

参考記事はコチラ
グリンピースHPはコチラ

『つばさものがたり』



カバーが優しかったので手に取った『つばさものがたり』。読みました。著者はクローズド・ノートの雫井脩介さん。文章のリズムがクローズド・ノートそっくり。いいなぁ。

登場人物がみんないい人。思いやりがあって不器用で一生懸命で。そういう物語は大好き。やさしい気持ちになれる。

内容はありきたりで、少し物足りなく感じることはあるけど、元気の栄養素みたいに物語が身体に沁みこんでくる。なんでだろう。

いくつになっても物語りに感動できる。これっていいことなんじゃないかって最近思うようになってきた。もっとたくさん読みたいなぁ。

2010年9月5日日曜日

トイ・ストーリー3



見て来ました「トイ・ストーリー3」。しかもモンゴル初の3Dで!(違ったらごめんなさい。でもたぶん初)。

1も2も見ないでいきなり3から入る暴挙でしたが面白かったです。実はこういう見かた好きなんです。昔よく漫画を全巻揃っているのに途中の巻から読んで変なヤツって言われてました。どうでもいいですね。

ラストシーンは感動的でした。勿論泣きました。ジブリのほぼ全作品で泣けるという特技を持っているので参考にはならないかも知れませんが泣ける映画です。

それにしても3Dメガネがごつくて重かった。あれは途中で疲れる。日本でも同じ風なのかな。メガネをかけている人はどうするのだろう。あれで二重メガネはきついと思う。

最近の読書、映画、音楽とか

読んだ本と聴いた音楽の感想ブログを新しく作ろうとして挫折してました。。

グーグルのブログはシンプルで好きなのだけど、交流機能が強いブログにしようかなとも検討中です。音楽好きなので趣味の合う人と新たに交流できたらいいなと。

この一週間で読んだ本の紹介。



『永遠の0(ゼロ)』(百田尚樹)



『ロボットとは何か』(石黒浩)



『人とロボットの秘密』(堀田純司)



『知能の謎』(けいはんな社会的知能発生学研究会)



『最後の授業』(ランディ・パウシュ)


どれも面白かった。『永遠の0』は読後に戦争のこと、そして昭和史についてもっともっと知りたいと思った。零戦パイロットの生涯を通じて、戦争を描いた作品。

最近、ロボット関連の本を読んでます。何というか、新しいドアが開いて今まで全く知らなかった世界が眼前に広がっている感じです。超面白い。これからもどっぷりはまりそう。

『最後の授業』は同期から借りた。優しい気持ちが溢れるいい本だった。興味のある人はこのサイトをチェックして下さい。

これから保刈実さんの『ラディカル・オーラル・ヒストリー』を読み始めます。

本が大好きだ。