2010年10月31日日曜日

メタル女子と日経ガール

オシャレをして登山を楽しむ「山ガール」。カメラ片手に散歩して日常風景を写す「カメラ女子」。これらはここ1~2年に見られる女子の流行らしい。

そういえば今年のフジロックは山ガールがいっぱいいた。その時は流行のことを知らなかったので、ずいぶんカラフルで似たような格好の女の子が多いなぁって思っていた。どうやら専門の雑誌が出ているくらい定着しているよう。

同じように身の周りであるタイプの女子が増えてきたように感じている。それは「メタル女子」と「日経ガール」である。

日経ガールは車内で日経新聞をきれいに折り畳んで読んでいる女性たちのこと。山の手に乗ると一日2人は確実に見かける。それもみんなきちっと折り畳んでいる。あの技術はすごい。自分はもっとくしゃくしゃになってしまいます。現在の購読者層は女性が35%。これからもう少し増えると思う。

そしてメタル女子。ここ10年ほどライブに通っていて気付いたのだけど、ラウド系のライブに来る女子が増えている。つい先日もメタルの帝王オジー・オズボーンのライブに行ったのだけど、君たちオジー全盛のとき生まれてなかったでしょ??っていう位の年代の女子が結構来ていて驚いた。

ライブで盛り上がるのも圧倒的に女性たち。男子はそんな女性を尻目におとなしくリズムをとっている程度。世の中女の子で回っているんだと言うこと実感します。

次はどんな女子が現れるのか。興味が尽きません。

ウルスラの悩み


(魔女の宅急便:ウルスラの絵 出展はコチラ

上野のシャガール展に行ってきた。評判通りの充実した内容でとても良かった。

シャガールを観ると魔女の宅急便のウルスラの絵を思い出します。描きかけの絵を前にしてウルスラが自身のスランプを語るシーンは映画の中で最も印象に残っています。

これまで描いてきた絵が他の誰かの真似だったと気付いたウルスラ。そこから再び描き続けることが困難になってしまったウルスラ。きっと多くの人が「分かる」心象だったと思います。

最近読んだ諏訪哲史の『アサッテの人』も同様の心象を描いた作品だったと思います。それは自分特有の社会に対する反発表現であったはずの「アサッテ」が、他人の「アサッテ」を目撃することにより「アサッテ」に対する意識が生まれ、自然であったはずの自分の「アサッテ」が出来なくなってしまうという話です。

アイデンティティの喪失は他の誰かを意識してしまうことにより簡単に起こってしまう。そういうことが二つの作品から読み取れます。

現代社会は情報過多で、自分で書いた文章でも、考えた意見や創造した作品でも、それと酷似したものが容易にネット上で検索可能で、はたして何が自分の本当の表現なのか分からなくなります。そもそもオリジネイターとしての自分なんてありはしないのだとも思えてしまう。

実は、表現を試みるものにとっては過酷なまでに試される厳しい環境なのかも知れないと思います。


ウルスラが立ち直るきっかけとなったのは、同じようにスランプに悩むキキの顔を見たことによって。人間は自分が辛いとき、他の誰かが困難な状況にあるのを見ることによって回復できる能力を持つものだと思います。

でもこれは決して残酷な本能ではなくて、マイナス×マイナスがプラスになるように、上手くすれば互助効果を持つものだと思います。ウルスラとキキの場合はそうだった。少なくとも人の不幸を喜ぶことが本能だとは思いたくないです。


シャガールの作品は相変わらず優しかった。「憂鬱と優しさと同義」以前に何度かそう書きました。私にとってシャガールの表現はそれが最大です。

2010年10月30日土曜日

東京電力のお天気情報



台風とかゲリラ豪雨、落雷が激しいときにこの東京電力のお天気情報をよく利用しています。3分おきに更新されるのでリアルタイムで各地の気象の流れが確認できます。

荒天時にちょこっと出かける用事があるときにとっても役立ちます。

もぐるベッド



このもぐれるベッド。ちょっと欲しいと思ってしまったアイテムです。

もぐることって何か安心感がありませんか。ベッドの上より中のほうがここちよく眠れそう。おけるスペースと価格が手頃だったら買うな、きっと。

本好きに最強のアドオン

こんなアドオンをまってました!というすごいアドオンを発見。

どんな機能かというと、アマゾンの商品検索からワンクリックで近所の図書館での在庫確認&予約が出来ちゃうんです。なんて便利なんだ。。



しかもこれアドオンは無料で公開されています。ウェブの世界ではよくあるのだけど、こういう役に立つソフトを開発して無償で提供するエンジニアたちは頭が下がります。

本当に便利なのでぜひ。入手先はコチラ

2010年10月29日金曜日

大音量で音楽を聴いても耳に深刻な影響は無し?

大音量で音楽を聴いても耳に深刻な影響は無し?だって。ほんまかいなって思ってしまう。詳しくはコチラ

でも本当だったら嬉しい、というか個人的にホッとする話。一日平均6時間はヘッドホンで結構な音量で音楽を聴いています。ライブも頻繁に行くし。

特に最近は新しく購入したヘッドホンがすごく良くて、家にいてもヘッドホンで音楽を聴いています。。そのお勧めのヘッドホンはこちら。



この価格帯クラスでの性能は一番だと思います。数種類のヘッドホンと聞き比べてみたけど低音が一番太く聞えて全体的なバランスがいい。これまで使っていたパナソニックのは一つ上の価格帯だけど、こっちのほうが断然いいです。

なので耳へのフィット感がよければほんとお勧めします。音楽ライフが楽しくなります♪


レディー・ガガ特別インタビュー

いま世界で一番ホットなアーティストGAGAのインタビュー。




Good Songとは世界中の誰もがハートで感じることのできる忘れられないものって言っている。エンターテイメント性が破格級でその分いらぬ誤解も演出している風に感じるGAGA。ちゃんと音楽についても突き詰めて考えている人なんだと思う。

実際に世界中でヒットしているからとても説得力がある。次の作品も楽しみだ。


でも、そんなGAGAを無視しても、いま一番聴くべき作品はアーケイド・ファイアの「ザ・サバーブス」。GAGAの定義するGood Songでは決してないけど、時代を映しロックの未来を切り開く素晴らしいアルバムです。





2010年10月28日木曜日

『5年3組リョウタ組』



東京寒ッ。6度。UBとあんまりかわらないね。

やらなきゃいけないことがあるのに誘惑に負けて読書。ここ三日間で5冊読んでしまった。一番良かったのがこの『5年3組リョウタ組』。作者は石田衣良さん。この人も教育問題に真剣に向き合っている大人だ。

印象に残った言葉。

「トラブルは人の絆を強くする」

「子どもとクラスで勉強してて、ほんとに感動するってことがある。未来の教育にすすむべき道があるなら、そんな時間をどうやって増やしていくかだと思う」

感動体験はいつになっても忘れないし、純粋にエネルギーとなって人を支える。そんな時間を増やしていくことができたら理想的だと思う。人生が豊かになる。


話⇒変。ここ最近やたらレアアースって単語が目に付きます。主に中国の輸出規制に関する話題。エコカーにレアアースが使われているらしい。その時点であまりエコでないなと思ってしまう。レアなんだからそれに頼った産業構造は持続可能じゃないからね。

あと、これがもし食料の輸出規制だったらと思うとぞっとする。本気で食糧自給を目指さないとやばいと思った。

天井が違うと眠れない

時には昔の話。13年くらい前こと。

チューリッヒに住む友人のマーセルが「天井が違うとよく眠れない」と言っていたのを唐突に思い出した。

枕が違うと眠れないっていうのはよく聞くけど、天井がっていうのはその時初めて聞いた。確かに二段ベットの下じゃない限り、人は寝るとき天井をみる。それはきっといつも同じ天井だから、意識しない当たり前のことになっているのだろう。

だから旅行とかで外泊するといつもと同じ天井じゃなくなる。大抵の人は普段天井が同じなのを意識しないから、天井が変わってしまったのも意識しないのだと思う。でも天井は変わっているいるから無意識のレベルでは何か影響を受けているのかもしれない。

だから、枕が違うから眠れないっていう人は、もしかしたら天井が違うから眠れないのかも知れないって思ったりもする。枕持参で外泊する人は分からないけど。

マーセルはすごく気の合う友達で、時には日本人同士よりも分かり合うことができた。

例えば、お互い小雨程度であれば傘を差さずに濡れながら歩くのが、周りのほかの友達が不思議がっていたけど、視線を交わすだけで"小雨の中を傘を差さずに歩くことがいい"っていうのが伝わった。


スイスで旅の荷物をまるごと盗難されたとき彼の家に一週間近くお世話になった。茫然自失で途方に暮れていたとき、彼は「ストリーツ・オブ・ロンドン」という曲を聴かせてくれた。

どんなに死にたいくらい絶望的な状況に合っても僕は君を見捨てない。ロンドンの街中を歩き、君の気持ちを変えさせる何かを見せてあげるよ。

盗難事件のことには何も触れず、ただ黙ってこの曲聴かせてくれた彼はすごいかっこいいと思った。


たまに天井が違うことを意識すると彼のことを思い出します。元気かなぁ。

2010年10月27日水曜日

『ウェブで学ぶ』



モッチーの新刊『ウェブで学ぶ』。今回はオープンエデュケーションの最先端の進化に詳しいMITストラテジストの飯吉さんとのウェブから始まる教育革命に関する対談です。

まずこの本のなかの好きな箇所。

「どうせビジネスとして儲からないのであれば、いっそのこと社会貢献としてMITの全ての講義の教材をウェブ上で無料で公開してしまったらどうか」

これは、オープンコースウェア(OCW)がどのような経緯で始まったのか説明する件の文章。OCWとは米国発でものすごい勢いで進化しているウェブ上の学習システムです。

それがいいモノであるなら採算を度外視して社会貢献としてやってしまおう、という米国文化。そこから何か面白いことが始まって、新たなイノベーションが生まれるであろうと信じる楽観主義ともいえる勇気。

これらはいまの日本が喉から手が出るほどほしい社会風土なんじゃないだろうか。常々、米国を羨ましくもあり敵わないと思う一面です。


本書を読むと、ウェブの世界で起きている学習のあり方が、リアル世界とどのような作用をもたらしながら進化しているのかよく分かります。(実際に体験してみないと本当に分かるとはいえないのですが。)

アウトプット無きインプットは社会にとってほとんど何の役にも立たない。自分のことを棚上げしてでもそう思っています。

梅田さんの著作によるアウトプットは非英語圏で生活する日本人にとって本当に貴重で、特に若い世代には無限の可能性を示す希望の書ともなるんじゃないかと思います。

2010年10月26日火曜日

私の読書体験

熱心にブログを読んでくれている奇特な読者もたまにブログに訪れてくれる稀な読者も私の趣味が読書なのはお気付きだと思います。

多い年で250冊くらい。少なくても毎年150冊以上は本を読みます。この読書量が多いのか少ないのかイマイチよく分かりません、少し多いくらいでしょうか。

読んでいる本は、文芸書、新書、ビジネス、自己啓発、雑誌、漫画、エッセイなど多岐に渡ります。小説も古今東西あらゆるジャンルのものを読みます。好きな作家はいますが、好きなジャンルは特になく、知人の紹介や雑誌のレビューや書評ブログのリンクとかから適当に選んでいる感じです。

友だちからこれまで読んだ中で一番面白かった本は何か、と質問されることがたびたびあります。音楽でもそうなのですがこの質問には即答できないというか答えを見つけられる自信はありません。

ただ、これまでに読書にはまるきっかけとなった本がいくつかあります。今回はそれらの本をちょっと紹介したいと思います。

まず最初の読書風景として記憶に焼きついているのがジュール・ベルヌの『海底二万海里』。



小学生(何年生かは忘れた)の時に父親が誕生日プレゼントでくれた一冊。最初、というか途中までこの本はノンフィクションだと思って読んでいました。。なので終盤に差し掛かったころ、父親に実話だと思って本の話をしたら、これはフィクションだよって教えてもらってすんごくショックを受けたのを覚えています。

でも、この本を読んだときほど興奮をした読書体験はほかにはないです。まぁ実話だと思ってたから興奮したのだろうけど。。

世界中の少年少女に贈りたい最高の冒険科学小説だと思います。

次の読書体験はユン・チアンの『ワイルド・スワン』。中国の文化大革命を生き抜いた祖母・母・私の母子三代の命の物語り。



これを読んだのは中学生のとき。その時やっていた進研ゼミの中学生に聞いた読んでよかった本のNo1だったので気になって読んでみた。

確か帯に「涙なくして読めない」と書いてあったのだけど本当にその通りだった。あまりにも壮絶でこれがとても実際に起こった話だとは信じられなかった。それも日本の隣の国で日本も関連していて。

日本でのほほんと生きている自分が無性に恥ずかしく、あまりにも違う世界が現実に存在することをすごく意識した。この本を読んで受けた衝撃はいまま生き続けているのを感じます。国際協力について考える原点となっています。

最後の読書体験は夏目漱石の『こころ』。これを読んだのは高校の読書感想文の課題図書で(たぶん)。



意外と読むのが遅かった『こころ』。でも早く『こころ』に出合ってしまうとその後に読む小説が全てつまらなくなってしまう、っていうくらいだから高校くらいが丁度良かったのかも。

『こころ』は日本文学最高の恋愛小説だと思います。何度読み返しても苦しく苦しく苦しく胸が詰まります。この作品をきっかけに、ヘッセ、ドフトエフスキー、カフカなど海外の暗く深い底に沈んでいくような文学作品を読みふけるようになりました。そういう意味で高校時代が一番鬱屈していたかもしれない。。

以上が私の読書体験。勿論他にも数を切れないくらい思い出に残る本があります。ただ、原風景として残る一冊を探すとこれら三冊になるような気がします。

ブログを読んで下さっている方でまだ上記三冊をまだ読んでいないという方はぜひ読んでみて下さい。

2010年10月24日日曜日

『減速して生きる』



二週連続でGIを当てました。ちょっとついてる今日この頃。そういう時には得てしていい出会いもあるもの。今日の一冊は最高の出会いの一冊です。都内で半農半BARを経営するダウンシフターズの高坂勝さんのストーリー。

会社での働き過ぎの環境から脱落し、収入を減らしても好きなことで充実した生活を送る現在までと、今後のビジョンが穏やかな文章で綴られています。行間から滲み出る著者の充実と社会の幸福を哲学する意識が心地よく温かいです。

ダウンシフトとは大量生産・消費・廃棄型の社会や競争主義な社会システムから自らドロップアウトし、好きなことを仕事とし、利益追求ではなく、少なく・小さく・ゆっくりとシンプルなミニマム志向を目指す人たちのライフスタイルを表す言葉です。

この本を読むと「ダウンシフト」と言う言葉はもはやイデオロギーであると感じます。シューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」も同様のイデオロギーであると思いますが、このダウンシフトのほうが「働きすぎる」日本人にとってはより適した語義の気がします。

いまの働き方や働く環境に疑問や悩みを感じる多くの日本人にとって、広く共感を得ることのできる時代に適合した読むべき一冊だと思います。


「遠回りは幸せへの近道」

「新しい時代の先駆者は、そのほとんどが古い時代の劣等生や脱落者だった」


これらはこの本のなかの好きな言葉。特に二つ目。新しい時代はすでに始まっている。そして古い時代に「生きづらさ」や「生きにくさ」を感じる人にとって希望と勇気を与える言葉だと思います。


モンゴルの環境問題について

モンゴル(ウランバートル=UB)の環境問題を総括してすこし考えてみる。

といってもモンゴルはUBとその他で全く環境が異なる。それは東京と日本の山村の比較よりも異なる次元として捉えなければいけないくらいに違う。共通なのは言語くらいと言ってもいいかもしれない。それ程UB以外を知っているわけではないので憶測なのかも知れないが。

モンゴルの環境問題を考える際に、まずモンゴルも環太平洋の諸島国と同様に加害者の側面よりも被害者の側面が強いことを忘れてはいけないと思う。考えてみれば当然で、300万程度の人口かつ大した産業を持たない国の経済活動がそれ程環境にインパクトを与えるわけがない。ましてはつい最近までは半数以上の国民が遊牧生活をしていた国である(遊牧にも環境負荷はあるが伝統的に持続可能である)。

しかし、それでもここ最近の経済成長によりUBの環境問題の悪化が顕著になってきている。これは(構造的には強い責任はあるが)一概に先進国の経済活動にだけ原因を押し付ける訳にはいかない。主な問題は大気汚染とゴミの不定性処理。(大気汚染は世銀のレポートに詳しい)このまま問題が改善されずにいくとUBは世界で最も住みたくない首都として名前があがることになると思う。

ただでさえ寒く長い冬があるのに、100メートル先が霞む大気汚染や街中にゴミがあふれてしまっては都市アメニティは最悪と言わざるを得なくなる。またアメニティ充実を阻害する要素としての自然環境が乏しいことや、交通量が多く渋滞、騒音のレベルが高いことも挙げられる。ちなみに都市アメニティのレベルはドイツの多くの都市を100として比較すると日本は60、モンゴルは5くらいだと感じている。

勿論これらの問題に対して少数ながらも真剣に考える国民も増え始めている。政府も先進国からの支援を受け入れ、大気汚染やゴミ問題、交通渋滞を改善するためのプロジェクトを進めている(効果があるのか分からないものもある。交通渋滞なんかは道路整備をしてもちょっとはましになるくらいで大して改善されないだろう。東京を見ればそれが分かる。原因は歪んだ経済成長にある。)。一方、最近何かと話題な希土類をはじめとする豊富な資源を持つ国土が各国から注目を集め、環境問題を二の次にする開発計画も同時に進行中である。

この様に、これからのモンゴルの環境問題もご他聞に漏れず開発と環境のジレンマに突入することになると思う。厄介なのは開発における経済的恩恵が一部の特権階級層に吸い取られ、貧困問題をさらに顕在化させる恐れがあることである。そして貧困問題もご他聞に漏れず環境問題を悪化させる。どちらかといえば環境問題が悪化するファクターのほうが大きいのは否めないのが現実だと思う。

ではどこが主導となって環境問題の改善を目指すのか。個人的に一番期待を寄せているが10年20年後の未来世代である。どこの国もどの歴史も大抵そうなのだが(良し悪しは別にして)問題を作り出した世代がそのまま問題を解決する世代になることはまずない。出来ることは問題解決のための種を撒くことくらいしかない。そこで環境と教育という言葉が繋がり、環境教育という言葉が出てくるようになったのだと思う。

モンゴルでも私が赴任した当初は環境教育という言葉に該当するモンゴル語にはなく、どのように表現すればいいか最初少し悩んだ(今ではそれらしき言葉が定着しはじめたようではある)。当然のことながら日本や欧米で実践されているような環境教育やそれを実践できる純国産の組織はあまりない。しかし純国産に限らなければ、先進国の出先機関やボランティアなどの活動は俄かに活気付いてきている。

今後はこういう外国関連の組織を受け皿として留学帰りなどのモンゴル人知識層が関わり、独自の組織を立ち上げ環境問題にアプローチしていくケースが増えるのではないかと考えている(モンゴル滞在中にあったモンゴル人の環境活動家はほぼ全員海外留学組であった)。その中で少しづつ環境教育の手法が根付いていくだろうし、そう期待したい。実際にドイツのGTZなどは環境問題に関心があり、語学力のあるスタッフの採用に積極的で、環境教育でもレベルの高い活動を展開している。

環境と開発、そして貧困。さらには環境問題に対する市民リテラシーの不足の問題あり、独自の青写真はおろかそれを構想するチカラが育っていないのが2010年の現状なのではないかと思う。この様に厳しい見通しではあるが、モンゴル人特有の楽観と言うかいい加減と言うか、日本人にはないタフな性格と自国に対する誇りが血液となって流れている民族なのでどんな困難に際しても折れずにぶつかっていける気はする。

以上が簡単ではあるが活動を通じて感じたモンゴルの環境問題に対する俯瞰的な所見。また機を新たに詳述してみたい気がする。

2010年10月23日土曜日

更新さぼってますш

今月に入ってからほとんどブログを更新していません。零細なので読者は意識していないのですが、もし心配して下さっている方がいたら申し訳ないので事情を説明します。

単なるさぼりです

溜めていた本を片っ端から読んでいて、それが楽しくて他のことそっちのけになっています。あと音楽、ライブや映画も頻繁。来月まではこの生活を楽しもうと思います。



2010年のロックシーンはここ10年で一番充実しているかもしれないと思わせるくらい傑作が立て続けにリリースされています。特に下半期。

で特に際立った一枚がこれ。アーケドファイアの3rd「ザ・サバーブス」。ロック好きなら絶対に聴いたほうがいいアルバムです。ロックファンでなくとも時代を映す一枚として聴いてみることを強くお勧めします。

他にも、

Manic Street Preachers「Postcards From A Young Man」


MIA:「MAYA」


Deerhunter:「Halcyon Digest」


Uffie:「Sex Dreams And Denim Jeans」


なんかはお勧めしたいアルバム。

オバマ政権になった頃からロックは向かうべき対象を失ってしまったと思っている。問題がよく分からなくなってしまったんじゃないかと。MIAなんかは明らかに違うけど。

そんな状況の中で産まれてきた作品のエネルギーはこれまで感じたことのない清涼感があって、不自然で不穏な感じがします。おかしな方向に行きそうな行かなそうな。

考えすぎ。

2010年10月18日月曜日

毒書

最近読んだ小説の中で面白かった作品。

『アサッテの人』


『りすん』


『ロンバルディア遠景』


『決壊』


『時が滲む朝』


『ひとり日和』


『リテイク・シックスティーン』



この他にも5,6冊読んだ、十日くらいの間に。

気付いたこと:小説の一気読みは情緒不安定を加速させて良くない(喜怒哀楽のメリハリが変になる)。

最近自分より年下の作家が目に付くようになった。読み終わってから作者が年下と分かると驚く。作品の内容がいかにも人生経験を積んできたようなどろどろしたものだと特に。

これもweb社会の現象なのだろうか。ドッグイヤーって経験も加速させるわけだよね、当然のことなのだけど。アセル。

けど、若い作家の魂を揺す振られるような作品にはそれ程めぐり会っていない。一番最近でも平野啓一郎の『日食』くらい。記憶に粘って剥がれ落ちないのは。当時大学生だったんだからすごいよ彼は、やっぱり。

で、その平野さんの『決壊(上下)』は最高にスリリングな小説だった。「悪」は環境によって作られるのか遺伝子レベルで決定されるのか、そういう話題に関心のある人は取り込まれてしまうと思う。久々に現実よりももっと怖いと感じる内容だった。

小説はしばらく我慢して、ビジネス関連とか自己啓発の類を読むようにしようと思った。

2010年10月4日月曜日

『ストロベリー・フィールズ』



男と女を描かせたらやっぱり小池真理子さんだな。ちょっと怖いくらいに面白い小説だった。周りに小池さん読んでいる人は少ないから読んでほしいな。もしくは小池さん好きな人と知り合いたい。特に女性。そして感想を聞いてみたい。作中の女性心理描写について、共感できるものなのかどうか。

『恋』『無伴奏』『水の翼』この3部作が自分の中で「愛」をテーマにした最高傑作です。







最近よく分からない忙しさに追われていてちょっと困ってます。なんだろう、しっかりしなきゃいけないですね。でも読書はやめられません。活字中毒ですので。

2010年10月3日日曜日

音楽は骨で聴く


(日経ビジネス:2010.10.4)

今週の日経ビジネス。一番好きな隠れた世界企業のコーナー。東京杉並区にある骨伝導技術を使ったヘッドセットなどの通信機器を開発している会社。

骨伝導は頭蓋骨を振動させて音を聴覚神経に直接届ける技術。ちょっと怖い気もするけどそうすることで電車のホームのような騒がしい場所でもきちんと音声が聴き取れるらしい。主に軍や警察、消防といったところで採用されているよう。

それはさておき、骨で音を聴くというのが面白い。ライブに行くのが趣味で、アルバムに対するライブの特別感ってその時にしか現れない一期一会的なケミストリーだって思っていた。

でも、もしかしたらライブでは音楽を骨で聴くっていう体験をしているのかも知れない。分厚いベースラインや胸を劈くようなドラミングはまさに骨にクル体験だと思う。だから身体の内からアツくなって無意識に恍惚とリズムを踏んでしまうのだろう。

こんな風に考えると音楽をライブで聴く楽しみがまた一つ増えた気がする。隠れた世界企業は知らない技術や伝統文化の業に驚けるから好き。

2010年10月2日土曜日

『20歳のときに知っておきたかったこと』



話題のベストセラー『20歳のときに知っておきたかったこと』。読みました。最近ブームになっている自己啓発本の中でもキラリとひかる面白い内容の一冊でした。

エキサイティングでイノベーションに満ちた人生をクリエイト(横文字だらけだ・・・)するための著者のメッセージに背中を押される。なんだか掻き立てられる本だった。脳細胞がむずむずする。

イマジネーション(発想+着想+常識を疑う)
チャレンジング(行動+努力+可能性開放)
コミュニケーション(感謝+謝罪+交渉)
パッション(情熱+責任)

簡単だけど、これらのことが大切だということ。自己啓発本を複数読んでいる人にとってはなんら目新しいことはないと思います。ただ、文章に人を魅了して惹き込むチカラがあった。話の上手い大学教授の授業を受けているような感じで。翻訳者が上手かったのかな??

こういう本が多くの日本人に読まれていることは明るい出来事だと思う。本は社会的インフラで、この手の内容は多様性の受け皿として個々人の意識に機能する。また意識ある人の行動を側面で支える働きもする。もっともっと読まれてほしい。

今日は久々に読書に集中することが出来た。この他にも一冊小説を読むことが出来て満足。活字中毒万歳だね。

2010年10月1日金曜日

10年上半期Best5

はい。某洋楽雑誌のまねしてやってみたかった企画です。今年上半期に発売されたALのベスト5です。ベスト10じゃないのはそもそもの選択肢が狭いから。

5位「エレメント・オブ・フリーダム」アリシア・キーズ


もうR&Bっていうより全ての音楽ファンにささげるグッドミュージック。聴き心地よくいつでもどこでも聴いていられる。

4位「フォギブネス・ロック・レコード」ブロークン・ソーシャル・シーン


赦しのロックレコード。タイトルがなんかいい。フジで聴いたときオーケストラがやっているロックバンドみたいだった。大人が楽しめるエネルギーが溢れていた。

3位「ドラムス」ドラムス


サマソニでのベストアクトだったドラムス。ちょっとレトロでスカスカな音。名前のわりに迫力に欠ける音楽だけど、すごくノリがいい演奏をやってた。今年一番オールドファッションな新人。

2位「セックス・ドリームス・アンド・デニム・ジーンズ」アフィ


今年一番ファッショナブルなアルバム。ルックス&舌足らずなシュガーボイスは人気でます。ガガはそんなに応援したいと思わないけど彼女は応援したくなる。甘いポップ。エロキュートなんて言われてるけどほんとそう。

1位「プラスチック・ビーチ」ゴリラズ


ひたすら楽しくどこまでも快楽的。エンターテイメントの傑作です。音楽を聴いてここまで気持ちよくなっちゃうと他のことがどうでもよくなりそう。シビアなリアルから逃避できる音楽の世界。


こんな感じです。でも上半期以降に発売されているアルバムの方が充実してます。。