2022年7月17日日曜日

キノコを巻き上げ

長女がたくさん面白いことを話す。今までに本当にたくさんあって、それらを書き留めてこなかったことが勿体なかったなぁと思う。

最近は、幼稚園で行うキャンプファイヤーに向けて例の歌を歌っているのだけど、歌詞が「火の粉を巻きあ~げ~」が「キノコを巻きあ~げ~」になっている。

杜人、環境再生医 矢野智徳の挑戦

杜人、環境再生医 矢野智徳の挑戦、という映画を見てきた。エンドロールによく知る親友の名前が出てきて驚いた(笑)映画は僕にはちょっと難しい内容で、特に造園に関する技術的なことはあまり正確に理解できなかったと思う。ただ、コンクリートで覆われた土地に、風と水の通り道を作ることで、その土地が回復し、そこに育つ生態系も本来の姿を取り戻していく、という感じで受け止めた。環境再生医として数々の自然を治してきた矢野さんの技術は、一朝一夕に誰もが学べるものではないと思う。そして、自然がダメージを受けていく速度は、人々が技術を習得するより格段に速い。だから絶望的な気持ちにもなるけど、できることをやらないといけないと改めて思う。

2022年7月11日月曜日

夢見る小学校

夢見る小学校というドキュメンタリー映画を見てきた。これは全国の教職員にぜひ見てほしいと思う内容の映画だった。こんな学校があるんだ!とまさに目から鱗で、自分の子どもたちを通わせたいなと思う学校だった。僕は子どもたちに、自分で考え、判断や選択ができる自立した人間になって欲しいと考えている。映画で紹介された体験学習や、カリキュラムを子どもたちで作ることや、子どもが大人と対等の立場で学校運営に参加する在り方などは「自立」を育む上でとても大切な要素なんだと感じた。この学校の設立者の堀さんは、ニイルという教育学者の「教育」を日本で展開するために、自分で理想の学校を作り上げていった。今も現役で英語のカリキュラムに携わり、日本各地にある自分で設立した学校を車で移動している。この信じられないくらいの熱量こそが、理想をカタチにした原動力なのだろうと思った。

2022年7月2日土曜日

無月の譜

僕は将棋ファンなので、将棋関連の小説を見つけると必ず読んでいる。この「無月の譜」はたまたま見つけた小説だったのだけど、これまで読んだ将棋関連小説の中で、異色の面白さを味わうことができた。

奨励会を年齢制限で三段で退会した主人公が、駒師である大叔父が作ったとされる幻の駒を探し求め、海外にまで旅に出るというストーリー。その過程の中で、大叔父に関連する人物たちとの出会いを通じ、それぞれの人生に触れながら、主人公自身が奨励会退会の挫折から癒され、成長していく物語。

将棋というゲームや棋士の魅力から話を深めていく小説も面白いが、本作では将棋の駒から将棋の魅力、そして将棋というゲームに惹かれる人の様子が描かれている。そしてそれだけでなく、やや道徳的ともいえる観点から、老いること、生きること、成長すること、挑戦すること、など人生訓とも読み取れるような話が展開されているのも、物語に重厚感を与えていた。

読み手がどんな状態であるのかによって、感想が大きく左右されそうな作品かも知れない。僕の場合は、子育てや人生に悩んでいるときに出会ったので、これまでを振り返り、そこに意味を与え、そして前に進みたいとと考えるようになった。

 

2022年6月29日水曜日

ベイビー・ブローカー

ベイビー・ブローカーを見てきた。前評判通り、とても良い映画だった。ソン・ガンホが出る映画に外れはない。もう20年くらい前の「シュリ」の頃から見た目もそんなに変わらないし、すごい映画人だと思う。

僕自身が二児の父親ということもあるのだろうけど、家族のカタチを考えさせる映画を見ると毎回号泣してしまう。子育ての大変さもよく分かるし、子どもと一緒に過ごせる時間の幸福さもよく分かる。

この世に生まれてきたことを全肯定される、最終版にとてもカタルシスな場面があるのだけど、それは生きることは苦しいということの裏返しであるような気がして、すごく胸が締め付けられる気持ちになった。苦しさも含めて、それでいいんだよ、生きてくれてありがとう、と言われているような。

劇中の音楽も美しく、心が洗われた。静かな感動があり、そして考えることで心が豊かになる。本当に素晴らしい映画だったと思う。

2022年6月28日火曜日

ゴミ拾い侍

東京新聞 2022.6.28 朝刊

ゴミ拾い侍の記事。侍のエンタメ×ゴミ拾い。これは絶対に海外でウケる。僕は協力隊でモンゴルで活動した時に、週末に早朝ゴミ拾いを数か月続けたことがある。その時に、ただ拾うだけじゃなく、こうやってエンタメとしてやれば、もっと注目を浴びて多くの人を巻き込めたんじゃないかと思う。だからちょっと悔しい。どんな取り組みでも、波及させていくためには面白いという要素は欠かせない。盲点だったな。

2022年6月27日月曜日

教育と愛国

教育と愛国、というドキュメンタリー映画を見てきた。時の政権が教育に関与し、自分立ちが信じる歴史を子どもたちに学ばせる。そのことをテーマとした内容で、見ている途中から怖くなってきてしまった。僕の娘を見ていても、幼稚園で教わったことをスポンジのように吸収し、そのまま家庭でも話してくることが多いので、子どもの頃の教育というのは良くも悪くも怖いなと思っている。歴史認識に関する問題は、ずっと続いていて、10年位前に、これは歴史問題じゃなくて時事問題だなと思ったことがあった。作中で、同様に話されている場面があって「あぁそうだよなぁ」と改めてそのことを実感した。いつも気になっているのは、権力を持ってる側の姿勢が攻撃的に見えること。そのことが言っていることに説得力が感じられない一番の問題なんじゃないかと思う。もっと穏やかに論理的に話をすれば共感が得られるのではないかと思ってしまう。