2017年1月17日火曜日

引き出しの中の家


今日の一冊。朽木祥さんの「引き出しの中の家」。僕はハリー・ポッターの様な魔法物語も好きだけど、読後に世界が違って見える魔法の様な物語も好き。

ちいさな女の子と、小人の少女の秘密の交流を描いた物語。ジブリアニメ「借りぐらしのアリエッティ」を思い出す。でも、お菓子作りやドールハウスなどのアイテムがいっぱいなので、女の子の方がワクワクする物語かも知れない。

優しく陽だまりのような暖かい文章で、僕は娘にこういう本を贈りたい。それと懐かしさが込み上げてくる本の装丁も素敵です。


2017年1月14日土曜日

よろこびの歌


宮下奈都さんの小説。バトンリレー形式で紡ぐ、女子高校生たちの青春物語です。リズム感のある文章で読みやすく、物語が進むごとにじわりと胸が暖まって来ました。

「誰かのどこかに揺すぶられるものがある」

僕が物語を読むのは、僕の中に「揺すぶられるもの」が残っているのか、それを確認するためなのかも知れない。

読んで感動してばかみたいに泣いて。自分でもどうかしていると思うのですが、どうしても涙が溢れてしまうのです。でもそれが僕の「揺すぶられるもの」なんだと思うと何だか安心できました。


2017年1月13日金曜日

難民問題

墓田桂「難民問題」中公新書 2016

先日読んだ「シリア難民」より、論点を包括的にかつ慎重な姿勢で分析していて、難民問題の全体像が掴め、とても参考となる内容だった。

日本は難民受け入れに消極的なのは事実だが、実際の難民申請者の大半が経済的な移民希望者であり、その結果認定者数が少ないなど、大手メディアでは報道されないデータも多い。また、受け入れ難民の国籍が、政治的なリスクを内包することも現実的で説得力を感じた。

一番考えさせられたのは、難民受け入れを、誰もが反対できないような人道的観点からのみ検討することのリスクについて。それは「善意の上限」というキーワードであり、善意だけではこの問題は解決しないし、逆に現在EUが直面しているような危機を招く可能性を適切に懸念している。

勿論、だからと言って突き放した政策をとることが正しい回答ともせず、それぞれの立場が一理あるというジレンマに向き合っている。

難民問題はまだまだ先が見えない。日本がEUのような劇的な変化の当事者となる可能性も当然ある。その前に、論点を整理し備える必要があると感じた。

2017年1月9日月曜日

シリア難民


今世紀最悪と言われるシリア内戦について何が起こっているのか知りたくて手に取った一冊。でもこの本の原題は「The New Odyssey The Story of Europian's Refugee Crisis」。ちょっと意訳し過ぎじゃない?

1月7日の東京新聞で、シリア難民問題を追ったジャーナリストの死亡者数が昨年で150名以上となったと知った。日本ではほとんど報道されない問題だけど、世界的には正に命懸けの報道がされている大問題なのだと思った。

本書は、一人のシリア人男性への同行取材を軸に内容構成されているが、基本的には他の中東諸国やアフリカを含め、ヨーロッパを目指す難民たちについて取材している。だからこそ問題の複雑さと根深さを感じる内容になっている。

ヨーロッパをはじめとする受け入れ国がたとえ拒否しても難民は減らない。ならば受け入れ制度を整え、管理入国を徹底することの方が、テロの可能性を摘むことにつながる。というスタンスで受け入れ国側の寛容政策と人道支援の必要性も訴えている。

僕もそう思うのだが、実際に日本に数十万人の難民がやって来ることを想像すると、当たり前だけど慎重に考えざるを得ない。イスラム過激派にとって日本は敵なのだから、難民に紛れてのテロリスト入国を心配する。

一人で考えても煮詰まるし、そもそも情報が少ないので、当面は関連する書籍を読んで、歴史的背景や何がアクチュアルで起こっているのか、それらを知ることに努めたいと思います。

2017年1月8日日曜日

史上最強のリーダー シャクルトン


新年4冊目。1910〜20年代に活躍した探検家シャクルトンのリーダシップについて分析をした一冊です。世界的に超有名人らしいのですが、私は今年まで知りませんでした。。

本書は冒険譚ではなく、あくまで彼の実績からリーダシップについてのエッセンスを抽出した内容構成になっています。企業経営者向けに書かれたマネジメント本のような感じです。

前半部分は主に人事のあり方、そして後半部分はリーダーとしてのあり方や危機管理についてとても分かりやすくまとまっていると思いました。

僕なりに為になったのは、人事面のところで「本気で仕事を欲しがる人を採用する」ということ。逆に言うと仕事を得ようとするなら、何が何でもその仕事に就きたいという熱意を示すこと。これまでで一番足りてなかったなと思いました。

僕はこの本のように歴史上の人物に再び光を当てて、そこから学ぶべき点を学ぶというあり方はとても好きです。何となく謙虚になれます。そして物語性があって読み物としても面白い。少なくとも巷に溢れる啓発本よりは。そう思います。

2017年1月6日金曜日

スーパーソニック


新年最初のエントリです。今年もよろしくお願いいたします!

娘が産まれて最初のお正月は、実家に帰ることもなく、のんびりと過ごしました。娘はだいぶ大きくなってきて、成長の早さを実感します。

今年最初の映画は、オアシスのドキュメンタリー映画「スーパーソニック」です。僕はオアシスの大ファンで、未だに05年のサマソニがこれまで観た中でベストライブだと思っています。思い入れが強いので、偏った評価になってしまいますが、新年最初に相応しい、見応えのある映画でした。

内容はオアシスが頂点を極めたと言われる、デビューからネブワースでの25万人動員ライブまでの軌跡を追ったもので、若かりし頃のギャラガー兄弟のお宝映像&逸話が満載で、よく残っていたなぁと感慨深いものがありました。

映画を観て、オアシスとは改めてロックンロールの成功物語であり、若者の夢と憧れの結晶のような存在なのだなと思いました。そして、その音を聴き返してみて、ノエルの美しいメロディーと、野性のカッコよさを感じるリアムの声に再び痺れています。

2016年12月25日日曜日

出雲充さん

東京新聞 2016.12.25

クリスマスだ。娘は朝からご機嫌で、僕も嬉しくなって柄にもなくクリスマスソングのCDをかけたりしている。大きくなって来たので盥風呂ももうすぐ卒業。ちょっとかなしいけど…。

今日の東京新聞。ユーグレナ社長、出雲充さんへのインタビュー記事。短い中にも学ぶべき点がぎっしりと詰まっている。

1.現場を知る
世界の飢えを無くしたい。そんな想い抱き続けてきた出雲さん。だが学生時代に訪れたバングラデシュで「飢え」では無く栄養不足が真の問題だと気付く。そこから栄養価の高いミドリムシの研究に没頭することになる。

2.挑戦し続ける
過去、誰も成功したことのないミドリムシの培養。数百万が一日で飛ぶ失敗を何度かしても諦めない。培養に成功し、販路開拓のための営業を始めるが2年間ほど誰からも相手にされない。辛くても折れなかった先に光明がさした。

3.さらに挑戦し続ける
ミドリムシが売れ始めたなか、今度はミドリムシのジェット機燃料化に事業を拡大する。自分がやらないと他の人がやってしまう。そのことの方が自分にとってのリスクと考え行動する。

4.断言する
ミドリムシが世界を救う。相手が子どもだろうが総理大臣だろうがそう断言する。「かも知れない」「可能性がある」あるでは周囲は安心しない。断言することで振れない芯を示す。

5.次世代を育てる
優れたアイデアを持つ次世代への投資を積極的に行う。自身の事業は自分の代で終わらないと認識し後継者を育てる。

写真ではそうは見えないが若干36歳。尊敬せずにいられない人物だ。