2015年9月27日日曜日

ツバメと駅員さん

仕事で面白い話を聞きました。長年都内でツバメの生息状況を観察して来た人の話です。

昔は山手線の各駅にツバメが巣を作って生活していたそうです。改札で切符を切る駅員さんがいたから、天敵のカラスも警戒して近寄らず、安心して巣作りができたようです。そういえば、昔はものすごい早さで切符を切る駅員さんがいましたね。

時代が進み、改札がオートメーション化されると、切符を切る駅員さんたちは改札から姿を消しました。もちろんツバメのガードマンとしていたわけではないので仕方ないことです。でもツバメにとって駅は安心して巣作りできる環境ではなくなってしまいました。

切符を切る駅員さんとともにツバメも次々に姿を消し、いまではツバメの巣をほんの僅かしか見つけることができなくなってしまったそうです。

また、私は知らなかったのですが、昔の家にはツバメが出入りできる窓が付いていたそうです。この窓もエアコンの普及とともに冷暖房の効率が下がることから塞がれ、今では田舎の家でたまに見かけるくらいになってしまったとか。

人間の営みと野生のいきものの生存環境は密接に結びついている。だけどその接点は普段の生活では気付くことがとても難しい。いつも手遅れになってからでしかそのことに気付けないのは、圧倒的な強者であることの傲慢さなんだと思う。

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