角幡さんの「極夜行」と「極夜行前」を読んだ。抜群に面白くノンフィクション大賞受賞が納得の作品だった。
非日常体験を、日常的な「あるある」に置き換えて笑いを誘う、よくある探検ノンフィクションパターンと、未知の世界に対する純粋な驚きを真摯に織り交ぜ、読み手を興味を最後まで飽きさせずに離さない。エンタメとしても一級品の作品だと思う。
僕的に考えさせられたのは、両書で触れている角幡さんの人生観というか年齢感。同世代だけあって、なるほどと思うことが大きかった。また「本当の探検」を体験するために、GPSも衛星携帯電話も持たずに「自力」で探検を行うことの意義を説いている。
実際に、極夜の世界において自分がどこにいるのか正確に分からずに大きな困難にぶつかることになるのだが、それが本書において読み手を興奮させ、そして感動させるエネルギーとなっているのは間違いない。
ここまでやり切ってしまうと、次があるのか不安になってしまう。探検記として面白いだけでなく「生き方」についても非常に考えさせられるので、どんな形であれ、角幡さんの次作にとても期待している。
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