2009年10月31日土曜日

『モンゴルの二十世紀』

今日のUB気温-10℃。雪が降って足元がすべります。今日の1冊。モンゴルの近現代史について。


( 小長谷有紀『モンゴルの二十世紀』中央公論新社 )

社会主義時代~資本主義への変動期を、最前線で駆け抜けたキーパーソンによる証言の記録。社会主義時代の都市と地方の人々の生活の様子、産業が発展していく軌跡が分かりやすく語られている。そして市場経済への移行を完全な失敗と位置付け、その要因を冷静に客観的に分析している。とても興味深く面白い。

また、いまのモンゴルが抱える課題。首都一極化と農村開発、食料自給率の向上と基幹産業の発展などが、無計画な資本主義への移行との深い因果関係にあることがよく分かった。問題を改善するためには原因を探らなくてはいけない。前進することが問題を解決する、というような雰囲気があるだけに、とても示唆に富んだ内容だと感じた。

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