今週の日経ビジネス。「敗軍の将、兵を語る」より。
( 日経ビジネス : 2009.10.05 )
ローマにある創業150年の老舗レストランが、日本人観光客をぼったくった話。ランチで9万円も吹っかけられたらしい。いくらなんでも高すぎる。その後被害者は警察に届出、調査のうえでその老舗は営業停止となった。注目すべきはその後の展開。
日本との友好関係に傷をつけまいと、ローマ市は謝罪の意を込め、被害者を無料でローマに招待することを試みる。被害者の都合上、招待は叶わなかったのだが、それならばとローマ副市長が日本を訪問。被害者に直接謝罪をする。
この一件。なんて誠実な対応なんだ、と素直に受け止めるほどお人好しではないが、実にスマートではあると思う。観光地ローマの信用回復ばかりか、PRまで成している。実際、紙面には、ローマが新しく始めた日本語観光案内サービスについて書かれている。
信用の価値は絶大である。日本には傷付いた信用を回復するために、膨大な時間とコストを費やすはめになった企業は数多くある。その大きな一因に初期対応の拙さが挙げられる。今回のローマ市の行動からは学ぶことが多いと感じた。
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