2010年5月4日火曜日

『終の住処』

今日のUBは最高気温16℃。少し歩くとシャツが薄っすらと汗ばんでしまう暖かさです。人も屋外で談話を楽しみ、夏に向かい街が急に活気付いてきました。モンゴルは結構何でも急です。変化はもっと緩やかなのが好きですが、仕方ないですね。

第141回芥川賞受賞作『終の住処』を読みました。ここ数年の芥川賞の中では"らしい"作品だと思います。


(磯崎憲一郎『終の住処』新潮社)

話自体はなんとも薄気味悪い夫婦生活を覗き見するような感じでエンタメ性はほぼ皆無。ほとんど日は差さないのに、とてもカラッとした一日が永遠に続いていくような小説。どうもしようの無い雰囲気なのにそれほど苦しくない。日常ってこういうものなのかな、って思ってしまう。

確か、ケン・ローチ監督の初期の作品も似たような雰囲気を持っていたように思う。淡々と物語が流れ、少しだけ起伏を見せて突然プツリという音が聞こえるくらいあっけなく終わる。私の琴線に触れるとても好きな作品です。

昨日のハワリンバヤルが終わり少しほっとしてしまったのか、どうも肩に力の入らない一日となってしまいました。まぁ、それもいいかな、と思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿