2010年7月5日月曜日

自然観光研修③チンギス・ハーンを辿る



チンギス・ハーン生誕の地を訪れる。これが私にとっての研修のハイライトでした。

以前『パックス・モンゴリカ』を読んで以来、チンギス・ハーンとモンゴル秘史について深く関心を持つようになりました。

史上最大の帝国を築いたチンギス・ハーンとその末裔。略奪が慣習として根付いていた草原文化のなかで、自らと家族を守る必然から始まった征服劇。歴史に例をみない宗教、民族の多様性を是とした寛容な統治政策。一方、自らに刃を向けるもの、法に従わないものは徹底して滅ぼす恐怖の人心統治。チンギス・ハーンへの興味は尽きません。

現代まで多大な影響と謎を残すチンギス・ハーンと彼の帝国の始まりの地であるブルカン・カルドゥン山とオノン川の源流域を訪れました。

UBから北東へ約400キロ。ヘンティー県にあるこのチンギス・ハーン所縁の地は2000年にオノン・バルジ国立公園として指定されました。面積は約4200平方kmととても広大です。

周囲を山脈と森林囲まれた清流オノン川は、日本人にとっては幻の魚であるイトウが生息することでも有名です。


(釣りに挑むモンゴル人)

国立公園内にはいくつもの史跡があるのですが、広大な土地に点在しているため車がないと見て回るのが難しいです。せっかくの自然の中を車で回るのは残念ですが、馬が乗れない観光者には仕方のないことです。



山の裾野を川沿いにひたすら歩きます。歩きながら、チンギス・ハーンも義理の兄を殺害した後に追っ手から逃れるためにこの周辺の山肌に身を隠したのかな、などと想像が膨らみます。



途中、モンゴルの歴史に詳しい学生がチンギス・ハーンにまつわるお話をたくさんしてくれました。本で読んで知った名前が出てくるたびに何ともいえない感慨深い気持ちと、贅沢な気分になりました。

大袈裟かも知れませんが、この地を歩く一歩一歩が歴史を感じる思い出深いものとして心に刻まれた気がします。再度訪れたい土地となりました。

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