2011年2月22日火曜日
『街場の大学論』
今日の一冊。内田先生の「大学人」としての最後の大学論『街場の大学論』。内田先生の本はたぶん10冊近く読んでいるので、これで晴れてタツラー??かな。
学力低下の大きな一因として、大学の責任をあげているところがなるほどと思った。
18歳人口が減少している中、それぞれの大学が定員数を増やせば大学に入りやすくなる。入りやすくなればそのぶん勉強しなくなる。周りが勉強しなくなれば日本人のメンタリティとして自分も勉強しなくなる。そもそも成績は相対的なものだから。
こういう風に考えれば、学力の低下も不自然なく説明がつく。少なくとも"ゆとり教育"に責任があるとするよりも納得がいく。勿論これが全てと考える気はないけど。
その他、人文系の学部が「(ビジネス)実学思考」の潮流の中で淘汰されていることに対し、それらの学部は「(生物)多様性の担保」として機能しているとの指摘に同意した。
話⇒少変
先日、映画「学校をつくろう」を見たあとに「大学について考える時は建学者の理念にまで遡ってみる必要がある」と書いた。本書を読み終えてそのことを強く再認識した。
映画の舞台である専修大学は「日本語で国際社会に通用する法律家を育てる」という志したから始まった。母校獨協大学は「大学は学問を通じての人間形成の場」であることを建学理念としている。
以前にも書いたが、私はこの母校の理念が大好きである。毎朝、この理念が刻まれた石碑に頭を垂れることから一日をはじめていた。ノスタルジックだと思うが、これでいいのだと思う。
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