内田先生の『街場の文体論』と姜先生の『続・悩む力』。両冊ともとても面白い本だった。
巷に溢れているような自己啓発本ではなく、学者として研究して、積み重ねてきた「確か」と思うことを、必要としている人にきちんと届くように、丁寧な文章で綴られている。
丁度、『街場の文体論』の中で、「論文は世の中に対する贈与』というようなことが書かれているが、両先生ともに、著作物の社会貢献ということに真摯であることが伝わってくる。
内容も抜群に面白い。面白すぎて脳が発熱してしまう。偶然か、両冊とも漱石の著作からの読み取りを挙げているが、過去の名著から現在を射るような解釈を展開するところが特にワクワクする。
本から暖かさや優しさのような感覚が伝わってくる。時間とか物理的な距離とかは関係なく、そういう本は必ず著者を身近に感じられる。それはその人にとっての大切な本の定義だと思う。
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