今週の日経ビジネスです。オランダの総合電気メーカー、フィリップスの経営戦略についてです。
( 日経ビジネス:2009.04.06 )
フィリップスは、インドで貧困層までを視野に入れたビジネスを展開しているらしい。主力商品は料理用の薪ストーブ。価格は日本円で約1200円程度。年収2000ドル以下が人口の5割を占めるインドの所得水準を考えると充分に手が届く価格だ。
インドの伝統的なストーブは燃焼効率が悪く、煤煙が屋内に立ち込め、女性や子供の健康被害に繋がっていたよう。それがこのストーブを導入することで煤煙を9割程削減可能となる。また維持管理も楽で、故障の際には簡単な部品交換で修理が可能みたい。
経済的、技術的、文化的に地域に適している。まるで開発援助のお手本のような適正技術だと思う。
このフィリップスのビジネスモデルは2重の意味ですごいと思った。まず、同業他社が富裕層を対象とした商品開発をしているときに、貧困層をターゲットにすることで新しい市場を開拓したこと。もう一つは、貧困層の衛生環境改善という本来なら公的セクターが担うべきライフラインを向上させたこと。
グローバルな企業が、ローカルな社会貢献にビジネスとして取り組むことは明るい未来を予感させる。まさに、社会を活性化させる企業の好例だと思う。
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