2010年2月15日月曜日

語り継ぐこと

モンゴルの歴史についてもっとよく知るために『パックス・モンゴリカ』という本を読んでいます。これがまた面白く、ページを捲る手が止まらない。



まだ読み途中です。前半はチンギス・ハンの生い立ちから草原のライバル、ジャムカとの覇権争い。そして中盤は怒涛の勢いで南へ西へ領土を拡大していく様子が綴られています。当時、画期的とされた征服地の統治手法や、攻撃における巧みなプロパガンダなど、チンギス・ハンの覇者としての器を物語るエピソードに戦慄を覚えます。

ほとんど記録が残っていないなかから、一縷の綱をたぐい寄せるように、注意深く、そして時に大胆に想像を飛躍させながら、このような史書を世に送る仕事に感服せざるを得ません。本当に途方もなく、根気と熱意をようする作業だったと思います。

歴史を語り継ぐこと。このことの重要性は失われそうになって、または失われてしまってから気付くと殆ど取り返しがつかない。真実は大抵教わってきたことと違うし、よっぽど好奇心が働かないと先に進まない。だから歴史に埋もれて消滅してしまう。語り手がいなくなると同時に。

私は過去よりも未来のことを考えて生きていきたい。だから結構歴史を蔑ろにしてしまっている。少しづつそのことは反省している。歴史に意見を持つことよりも、知ろうとすることのほうが大切だと感じている。


元ちとせの「語り継ぐこと」。インスピレーションを受けた一曲です。

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