2010年3月21日日曜日

『日本辺境論』

最近、読書不足で心がカラカラしてます。本を読むという行為がもう生活の一部になっているので、生活のバランスが崩れているのだと思います。本当に久し振りに読んだ気がします。今日の一冊。


( 内田樹『 日本辺境論 』新潮新書 )

日本人を「辺境人」という文脈で捉えることにより、日本人的な思考が見えてくる。自衛隊と9条の問題や、師弟制度、水戸黄門などの事例と共に、辺境人的思考の経路を、かなり噛み砕いて説明している。普通に面白い。

著者自身も認めているように、論には穴があり、突っ込みどころも満載だと思う。ただ、それでも妙にストンと、まるで本能に直接響くような感覚で言いたいことが伝わってくる。この感覚こそが、この本の怖いところであり、優れた日本人論なのだと感じる証拠なのだと思う。

読み物と言うよりは、大学の講義を聴いているような印象を受けた。分かりやすく丁寧で、日本人を考える窓口としてとても興味深い一冊だと思う。

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