2010年4月19日月曜日

『マルクスは生きている』

同期の友達から借りて読みました『マルクスは生きている』。面白かったです。


( 不和哲三『 マルクスは生きている 』平凡社新書 )

マルクスというより著者の不破さんがすごいなと思ってしまった。資本論を読んだことのない人にも分かりやすくマルクスとその哲学を説明している。半端じゃない研究量とものすごい努力。それとマルクス(とその知)に対する敬意と底知れぬ深い理解が伝わってくる。

こういう本は大好きだ。先達となる人やできごとを徹底的に研究して、それを未来に繋いでいく。きっと未来に役立つと信じて繋いでいく。歴史家といっていいのだろうか、とても尊い仕事だと思う。不破さんのマルクスもそういうことだ。それだけで読む価値があると思う。

勿論、本の内容も面白い。スターリン以降ほとんど完全に誤解されてしまった共産主義。その本来のすがたがよく分かる。それは資本主義か共産主義、ではなく、資本主義を否定しない未来社会へのヒントのようなものだと捉えることができる。

新書は興味関心の入り口にすぎない。知る楽しみを教えてくれるとてもよい新書だった。

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