2010年7月22日木曜日
はじめて読むドラッカー
ドラッカーの晩年の著書である『プロフェッショナルの条件』を読みました。大学生の時には全く理解できなかったドラッカーですが、いま読んでみると身体に染み入るように彼の言葉が流れ込んできます。それだけ経験を積めたってことなのかな。
この本とほぼ並行させて勝間さんの『ビジネス頭を創る7つのフレームワーク力』を読み返しました。この本は勝間さんの著作の中で一番実戦向きだと思います。
ドラッカーと勝間さん、両者の著作はシンクロしていて、相互補完的に読むことができたように思います。
ドラッカーがセルフマネジメントの重要性を社会の枠組み、更にはより大きな歴史俯瞰的な視点から説くのに対し、勝間さんは個々人が習得できる技術の一つとして具体的な方法まで解説する。
但し双方ともセルフマネジメントはそれ自体が目的となるのではなく、その成果である貢献、さらには"自分がどうありたいか"に決定的なものであると捉えることで共通している。
共に厚みと深みがある本なので内容を簡略することは難しい。ただ現実を、いま起こっている出来事や取り組んでいる仕事、または所属する組織や人間関係などを、一度解体して頭の中で整理して正しく理解するためにとても役立つ内容だと思う。
『プロフェッショナルの条件』は副題に【自己実現編】とある。自己実現とは成熟と複雑化してしまった社会における特有の個人の欲求なのではないかと思う。本分の中で、何度も読者に対する呼びかけがある。その呼びかけを聴くたびに、静かに灯を灯されるような情熱が湧く。それこそがこの本におけるドラッカーのねらいのような気がする。
時代に合った本当に価値ある名著だと思った。
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