2010年9月8日水曜日

『街場のメディア論』



日本辺境論の内田樹さんの最新の新書。この先生は「私⇒あなた」の感覚でお話をするから好き。意見が率直で分かりやすい。

出版業界の不調が、出版業界の内部構造に問題があるという指摘が面白かった。最近よく言われている「若者の本離れ」とか「読み手のリテラシー」の低下といったものは、責任転換の表れだっていうのも納得。

興味関心が多方面に向いている現代人を本の世界に呼び戻すには「水路作り」をするようなものっていう村上春樹の引用があるがその通りだと思う。

でも出版業界も本屋もそれなりに頑張っているよね。文庫のカバーなんかだいぶオシャレを楽しめる感覚に近付いたし、本屋大賞とか何とか大賞っていうのがたくさんできたのもいい水路なんじゃないかと思う。

あとは読み手の方でも以前紹介したブックパッカー(詳しくはコチラ)みたいなネットワークが広がっていくと本の世界もすごく多様になって面白くなると思う。

出版業界以外にも既存のメディアをなるほどって思うカタチで批判しています。新書ってことでインスタントではあるけど、興味深い情報が詰まってておススメ。

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