半藤一利著、山本七平賞受賞作『ノモンハンの夏』。モンゴル在住の知人からお借りして読みました。
以前読んだ『永遠のゼロ』の読後の感想と同様に、戦争について、昭和史についてあまりにも知らなさすぎる自分を恥じる気持ちと、知ることを諦めてはいけないという思いを抱くようになりました。
ノモンハンの夏。紛争の舞台は現在のモンゴル東部、内モンゴル国境付近を流れるハルハ河周辺の草原地帯。当時は満州国と外蒙古の国境付近。
ここでソ連・モンゴル軍と関東軍が死闘を繰り広げたこと。そして関東軍の暴発が戦争に繋がっていったこと。。歴史に触れることによって自分が今いるモンゴルに対して特殊な感情が湧き上がってきます。
それは全く負の感情ではなく、日本人捕虜によって建設されたスフバートル広場を歩くときに、今まで以上に一歩一歩の足に込める気持ちが強くなる感じです。
半藤氏はこの本を通じて、当時の参謀本部のエリートたちの無責任体質を痛烈に批判しています。この批判は誰も責任を取らない現在のエリート官僚による支配層批判にそのまま当て嵌まります。
結局は何も変わっていない。変われていない。そのことにすら無自覚である市民社会がそのままであることに否応なしに気付かされます。
ハルハ河にはモンゴルに縁のあるうちに訪れてみたいです。
0 件のコメント:
コメントを投稿