2010年10月24日日曜日

『減速して生きる』



二週連続でGIを当てました。ちょっとついてる今日この頃。そういう時には得てしていい出会いもあるもの。今日の一冊は最高の出会いの一冊です。都内で半農半BARを経営するダウンシフターズの高坂勝さんのストーリー。

会社での働き過ぎの環境から脱落し、収入を減らしても好きなことで充実した生活を送る現在までと、今後のビジョンが穏やかな文章で綴られています。行間から滲み出る著者の充実と社会の幸福を哲学する意識が心地よく温かいです。

ダウンシフトとは大量生産・消費・廃棄型の社会や競争主義な社会システムから自らドロップアウトし、好きなことを仕事とし、利益追求ではなく、少なく・小さく・ゆっくりとシンプルなミニマム志向を目指す人たちのライフスタイルを表す言葉です。

この本を読むと「ダウンシフト」と言う言葉はもはやイデオロギーであると感じます。シューマッハの「スモール・イズ・ビューティフル」も同様のイデオロギーであると思いますが、このダウンシフトのほうが「働きすぎる」日本人にとってはより適した語義の気がします。

いまの働き方や働く環境に疑問や悩みを感じる多くの日本人にとって、広く共感を得ることのできる時代に適合した読むべき一冊だと思います。


「遠回りは幸せへの近道」

「新しい時代の先駆者は、そのほとんどが古い時代の劣等生や脱落者だった」


これらはこの本のなかの好きな言葉。特に二つ目。新しい時代はすでに始まっている。そして古い時代に「生きづらさ」や「生きにくさ」を感じる人にとって希望と勇気を与える言葉だと思います。


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