講談社文庫の巻末にある「講談社文庫刊行の辞」。これまで何冊も読んでいたのにもかかわらず素通りしていました。
じっくりと読んでみたら巻末に相応しい大変格調の高い文章で、凛とした空気を奏でている気配すら感じて、ちょっと居住まいを正してしまいました。
「激動の転換期を迎えて、長期に渡って良書に生命をあたえようとつとめるところにしか、今後の出版文化の真の繁栄はありえないと信じる」
「(文庫を送り届けることは)知識の泉であるとともに感受性のふるさとであり、もっとも有機的に組織され、社会に開かれた万人のための大学をめざしている」
出版文化に携わる人の情熱というか魂が込められていると思います。作家、作品に対してのみだけでなく、読み手がはらう敬意は出版に携わる人すべてに向けられるものだと思います。
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