私が信用している数少ない「テレビの人」の一人、田原さんの「サンプロ」での21年間を振り返る一冊。
ニュースや新聞だけでは本当のことは何も分からない。分からないだけならまだしも、恣意的に切り取られた情報によって私たちはコントロールされている。改めてメディアリテラシーの大切さに気付かされる。
私がテレビを見ない理由は、テレビは一方的で、商業主義で、上述したように報道のあり方が暴力的に感じるから。でも、本書を読むとテレビに映る「ノイズ」(本筋以外の映像。例えばアナウンサーの服とか)が、文章以上に真実を物語ることがあることが分かる。少し偏見を捨てられた気がする。
また、55年体制以降の政治の流れを、主要な政治家の人物像を通じて追うことができる。まるで歴史小説を読んでいるような面白ささえ感じる。
「サンプロ」が終わってしまったことは本当に残念。あれだけ稀有な番組はもうつくられないんじゃないかと思ってしまう。
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