2011年1月24日月曜日

心事に筆がとどきにくい



司馬さんの『世に棲む日日』を読書中。うちには同氏の『竜馬が行く』『翔ぶが如く』などの名作が単行本であって、これもう宝物で、大切に大切に読んでいます。

「このあたりの松蔭の心事になると、小説の筆では本来、とどきにくい」(『世に棲む日日』第1巻本文より)

改めて司馬さんの本を読むと、その面白さは勿論のこと、格調の高い文章にひんやりとさせられる。「小説の筆では心事にとどきにくい」とは一流の翻訳家ならどう訳すのだろうと考えてしまった。司馬さんが原稿用紙に向かっている姿が思い浮かぶ文章だ。

短期間に集中して本を読むことによって、また新しい本の楽しみ方が見えてきた気がする。人は誰でも一生のうちに"本を読むまとまった時間"をとったほうがいいと思う。必ず貴重な財産になる。

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