2011年2月11日金曜日

「洋菓子店コアンドル」にみる非正規ルートの王道化



本日公開の映画「洋菓子店コアンドル」を見てきた。全てが予定調和のシナリオでありながらドキドキ魅入ってしまう。主演、蒼井優の名演が成せる技だと思う。ほんとズバ抜けた才能だと思う。

恋人を追って鹿児島から上京してきた蒼井優が、行き場を失って小さな洋菓子店に住み込みで働き始めるところから物語が始まる。一筋縄ではいかないお店のスタッフや、パティスリーとしての壁にぶつかりながら成長し、人間関係も好転させていく。

そして最後は成功への大きな道が切り拓かれる。脚本の素人でも思い付きそうなストーリーだと思う。でもこれって映画の中の話というより、現実世界での成功物語(成功の定義はお任せします)を描いているようにも見える。

・経験無し、勢いだけで現場に飛び込む
・様々な壁にぶつかりながら、人間関係に育てられ、太い人脈を築き上げる
・その人脈に支援され、次の大きなステージに挑戦する

この言わば“非正規”ともいえるキャリア形成、実はいま世間で注目されている起業家たちに共通のルートなんじゃないかと思う。そして“非正規ルート”が王道化してきているのではないかと。

このガラパゴス化した時代における生命力とは何か。蒼井優の演技を見ながらそんなことを考えさせられた。映画自体もスイーツを扱う内容だけに甘く、帰り道にipad検索して劇場近くの洋菓子屋さんできっちりケーキも食べてきた。いい〆方だったと思う。

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