2016年6月1日水曜日

佐藤天彦

東京新聞 2016.6.1

ニコ生で見ていて苦しくなった。羽生さんが劣勢となってから何度もPCを閉じ、深くため息をついた。半ば予想していたとはいえ、羽生さんが負けるのはショックだった。それも名人戦で。

羽生さんが衰えたというより、天彦が強かった。そんな印象を受けたシリーズだった。それでも思う。もし第二局で羽生さんが詰みを見落とさなかったら、と。あの対局で完全に流れは天彦になったと思う。

今週末には新鋭の永瀬七段を迎えて棋聖戦五番勝負が開幕する。棋聖も失冠する様なことになると将棋界は乱世になる。タイトル保持者が、羽生さんに竜王、天彦、永瀬、郷田の5人なる。それはそれで面白いのだが。

応援したくなる棋士ではなく、負けるところが見たくない棋士。私の中では羽生さんに対する気持ちはそんな風に変化している。

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