小泉悠「プーチンの国家戦略」東京堂出版 2016
最近の関心事であるシリア難民問題を理解するための手掛かりとして手に取った一冊。目的からすると外れた内容ではあったものの、これまでほとんど知らなかったロシアの内情を垣間見る興味深い一冊でした。
本書を読んで、僕の世界観というのは冷戦後の欧米を中心とした西側価値観に基づくものだと認識させられます。要は、ロシアはそれとは違う視点で世界をみているということ(日本と中国、韓国との間の視点の違いは、裏返し的な部分があるからまだ理解しやすい。ロシアとのそれは全く異なる)。そしてその違いが様々な問題(最近ではクリミア半島問題)と地続きであることが分かります。
固定観念は相当根深く、知らず思考を支配してくるので厄介なもの。ブルー・ハーツの情熱の薔薇に「見てきたものや聞いたこと、今まで覚えた全部、でたらめだったら面白い、そんな気持ちわかるでしょ」という歌詞がある。「でたらめ」な視点で見ないと分からない物事はたくさんあるのだと気付かされます。
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