2019年10月31日木曜日

CUT NIGHT vol.5


ロッキンオンの渋谷さんがトークするCUT NIGHTに行ってきた。今回で5回目だけど、これまで参加できなかったのでとても楽しみにしていたイベント。僕にとって渋谷さんはロッキンオンを通じて洋楽の世界を開いてくれた人で、どうしてもトークショーを聞いてみたかった。

イベントは3部構成で、1部は渋谷さんのトークショー。2部にアーティストのlukiさんのミニライブ。そして3部は渋谷さんとlukiさんのトーク。とても濃い内容であるにも関わらず、参加費は無料。信じられないくらいお得なイベントだ。

トークショーは、現在公開中の映画「イエスタデイ」を一応のテーマとし、洋楽不況の話題から、ポップミュージック論まで、音楽ファンとしてとても面白くためになるお話を聞くことができた。話のテンポもよく、所々にナチュラルに笑いを誘う「掴み」が満載で、もっともっと聞きたい思う内容だった。

印象深かったのは、ポップミュージックを構成する要素は「アーティスト」と「楽曲」という二つに分かれていて、「アーティスト」は媒体として、優れた楽曲を世間に届ける存在であるということ。渋谷さんは、映画「イエスタデイ」は図らずもそのことを描いたことを評価をしていた。

2部のlukiさんのミニライブも素晴らしかった。初めて聴いたのだけど、ポップスとジャズの中間を駆け抜けるような個性を感じる歌声だった。二子玉川のGEMINI THEATERという小さな箱だったのだけど、まさにそういう空間で映える小さな宝物のような親密で温かみのある演奏を楽しむことができた。

終わってみれば本当にあっという間の2時間で、もうあと2時間くらいあっても絶対に飽きることは無かったと思う。音楽評論家として40年以上のキャリアを積み重ね、常に今の時代の「ロック」を語り、そして日本人の洋楽リテラシーを引き上げた渋谷さんの功績はとんでもなく偉大だ。音楽の話をとても楽しそうにしているその姿勢をみると、こちらまで元気になる。

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