2022年6月29日水曜日

ベイビー・ブローカー

ベイビー・ブローカーを見てきた。前評判通り、とても良い映画だった。ソン・ガンホが出る映画に外れはない。もう20年くらい前の「シュリ」の頃から見た目もそんなに変わらないし、すごい映画人だと思う。

僕自身が二児の父親ということもあるのだろうけど、家族のカタチを考えさせる映画を見ると毎回号泣してしまう。子育ての大変さもよく分かるし、子どもと一緒に過ごせる時間の幸福さもよく分かる。

この世に生まれてきたことを全肯定される、最終版にとてもカタルシスな場面があるのだけど、それは生きることは苦しいということの裏返しであるような気がして、すごく胸が締め付けられる気持ちになった。苦しさも含めて、それでいいんだよ、生きてくれてありがとう、と言われているような。

劇中の音楽も美しく、心が洗われた。静かな感動があり、そして考えることで心が豊かになる。本当に素晴らしい映画だったと思う。

2022年6月28日火曜日

ゴミ拾い侍

東京新聞 2022.6.28 朝刊

ゴミ拾い侍の記事。侍のエンタメ×ゴミ拾い。これは絶対に海外でウケる。僕は協力隊でモンゴルで活動した時に、週末に早朝ゴミ拾いを数か月続けたことがある。その時に、ただ拾うだけじゃなく、こうやってエンタメとしてやれば、もっと注目を浴びて多くの人を巻き込めたんじゃないかと思う。だからちょっと悔しい。どんな取り組みでも、波及させていくためには面白いという要素は欠かせない。盲点だったな。

2022年6月27日月曜日

教育と愛国

教育と愛国、というドキュメンタリー映画を見てきた。時の政権が教育に関与し、自分立ちが信じる歴史を子どもたちに学ばせる。そのことをテーマとした内容で、見ている途中から怖くなってきてしまった。僕の娘を見ていても、幼稚園で教わったことをスポンジのように吸収し、そのまま家庭でも話してくることが多いので、子どもの頃の教育というのは良くも悪くも怖いなと思っている。歴史認識に関する問題は、ずっと続いていて、10年位前に、これは歴史問題じゃなくて時事問題だなと思ったことがあった。作中で、同様に話されている場面があって「あぁそうだよなぁ」と改めてそのことを実感した。いつも気になっているのは、権力を持ってる側の姿勢が攻撃的に見えること。そのことが言っていることに説得力が感じられない一番の問題なんじゃないかと思う。もっと穏やかに論理的に話をすれば共感が得られるのではないかと思ってしまう。

2022年6月24日金曜日

嫌われる勇気

今日の一冊「嫌われる勇気」。出版された当初から知っていた本なのに、不思議と読んでいなかった。最近パートナーから勧められて読んでみた。読み始めてすぐの一章から目から鱗が落ちる内容で、引き込まれるように読了した。本の内容を咀嚼して、理解できるようになるには、もう数回繰り返し読む必要はありそう。だけど「仕事」や「人生」について悩みを抱えている人にとっては、とても有意義で、場合によってはその人の一生を変えるくらいの力がある本なのではないかと思う。僕にとっても、仕事に臨む心構えや、子育てへの向き合い方に関して参考になる内容だった。いや、参考になる以上に、書かれていることを理解して、実践してみたい気持ちになった。一点だけ気になったのは、アドラー心理学では子どもを「褒める」行為を是としていない点。それは「褒める」行為は、上下関係が基本であり、その背後には相手をコントロールする意図があるからだという。子育て関連の書籍では「褒める」ことが当たり前のように良いこととして書かれていることが多い。だから、どうなのだろう?という疑問を、もっと色々な人たちと共有して話をしてみたいと思った。

ハケンアニメ

久し振りの映画レビュー。作品はハケンアニメ。そこそこ原作に忠実に、適度にメリハリを付けながら最後までテンポ良く駆け抜けた、見る者を飽きさせない作品だった。特に、アニメシーンの「アニメ感」が素晴らしく、原作に良い意味で補い、新たな魅力を付加したように思う。
僕が本作で感じた一番のテーマは「一生懸命働くことの素晴らしさ」だったと思う。どんなに大変な仕事でも、誠意を尽くして一生懸命に取り組めば、自分自身を成長させることができる。そしてその仕事に取り組む姿勢は、周囲を巻き込んでポジティブなエネルギーとなって自分に返ってくる。そんなことが伝わってくる内容だった。
最初は、覇権を派遣と勘違いしていて、アニメ業界で働く派遣スタッフのお話かと思った。僕のパートナーも同じように思っていたので、もしかしたら他にもそういう勘違いをしている人が多くいるかも知れない。もちろん作品は派遣の話ではない。アニメ業界を舞台とした「仕事」と、アニメが人の人生を変える可能性を見せつけた作品だった。


2022年6月4日土曜日

Luby Sparks@渋谷WWW

今日のライブ。Luby sparks@渋谷WWW。新譜Search+Destroyの発表ライブで記念すべき初のワンマンライブ。大好きなバンドなのでその成長ぶりがとても嬉しい。

初ワンマンということもあってか、出だしは若干緊張気味なのが見て取れた。けど、2曲目以降は本来のペースを取り戻し、これまでよりも重量を感じる濃密な演奏を繰り広げた。

デビュー時にあったドリームポップ感は完全に影を潜め、グルーヴを鳴らし、音圧で空間を支配するような、貫禄を感じさせる飛躍的進化が表れていた。

アルバムで聴くとまだまだ洋楽っぽいバンドの域を出ていないのだけど、ライブの内容は本当に素晴らしい。もっともっとライブで聴く機会を持ちたいと思うバンドになった。