ベイビー・ブローカーを見てきた。前評判通り、とても良い映画だった。ソン・ガンホが出る映画に外れはない。もう20年くらい前の「シュリ」の頃から見た目もそんなに変わらないし、すごい映画人だと思う。
僕自身が二児の父親ということもあるのだろうけど、家族のカタチを考えさせる映画を見ると毎回号泣してしまう。子育ての大変さもよく分かるし、子どもと一緒に過ごせる時間の幸福さもよく分かる。
この世に生まれてきたことを全肯定される、最終版にとてもカタルシスな場面があるのだけど、それは生きることは苦しいということの裏返しであるような気がして、すごく胸が締め付けられる気持ちになった。苦しさも含めて、それでいいんだよ、生きてくれてありがとう、と言われているような。
劇中の音楽も美しく、心が洗われた。静かな感動があり、そして考えることで心が豊かになる。本当に素晴らしい映画だったと思う。