2018年10月28日日曜日

10/28 BABYMETAL@さいたまスーパーアリーナ


BABYMETALのライブは今回で5回目。これまでのBABYMETALを遥かに陵駕する新次元の圧倒的なパフォーマンスだった。一瞬たりとも目が離せない、というか釘付けとなってしまった1時間だった。あまりにも凄すぎて、観ることができて良かったとしか言葉が思いつかない。。
YUIメタルの脱退は本当に残念で、MOAメタルとの共演をもっともっと見たかったのだけど、今日のライブを見てBABYMETALの今後に対する不安は微塵も感じられなかった。SU-メタルは着実に上手くなっているし、オーディエンスにサークル支持する様なんかは神懸って見えた。MOAメタルはカワイイからカッコイイに脱皮を見せながらも、それでもやはり可愛かった。
約1時間の尺で、歌無しオープニングを除くと10曲のみ。当然短く感じられたし、演って欲しい曲はまだまだたくさんあった。ただ逆にこれくらい凝縮させたことで、一分の隙も無い緊張感を生み出すことになったのだと思う。
アイドルにメタルをやらせてみたら。そんな存在自体がギミックでしょと思われかねない場所からスタートして、このレベルに達したことは本当に凄いと思う。客の目が日本より厳しい海外で叩き上げられ、経験を積み重ね、いつの間にか本物に成長した。最早やらせれている感は全くない。唯一無二の存在。



2018年10月27日土曜日

沈黙のパレード



東野さんの新刊で僕的に待望の湯川教授シリーズ。複数の人物による複雑な共犯殺人ということで、だいぶ昔に読んだ「金田一少年の事件簿電脳山荘殺人事件」を思い出した。

終盤まであまりにも予測通りに話が進むので「あぁ、きっと最後にどんでん返しがあるのだろうな」と、読みながら結末が気になってしまったけど、予測を上回る面白さだったので、さすが東野圭吾と改めて感心した。

人情のような割り切れなさをベースに、物語の「複雑さ」をリズムよく分かりやすく展開する。そして切れ味鋭い結末で一気に物語を締めくくる。まさに職人芸。読後の爽快感のようなものもあって東野ミステリーは癖になる。

2018年10月26日金曜日

LUBY SPARKS



LUBY SPARKS@新代田。このライブハウスは久しぶりで、何だか狭くなったように感じた。それとフロア禁煙になっていたのが嬉しい。今日のライブは、LUBY SPARKSという新人で、19年度のCDショップ大賞1次にノミネートされている。

僕は、ヴァクシーンズの前座に抜擢されたことでこのバンドを知って、youtubeでチェックしてみたら、ドリームポップ×シューゲイズなとても好みの音を鳴らしていて、即ハマってしまった(4AD系やラッシュ、コクトーツインズ、アソビセクス、スーパーカーあたりが好きなら間違いない)。

ライブの内容は事前に聴いていたCDの音源に割と忠実で、すごく真面目な印象を受けた。箱の広さに適した音圧が耳に心地よく、音楽に身を任せながらいいバンドだなぁって思い続けていた。最後、ギターの音が出なくなるハプニングがあったが、それも落ち着いて乗り切っていたのも印象的だった。

普段は物販で買い物をすることはないのだけど、想像以上に良かったので、今回はライブが終わってすぐにシングル盤を購入した(アルバムは持っているので)。まだまだ知名度が低く、ワンマンでツアーをするのはもう少し先になりそうだけど、前座ででるこのバンド目当てにまた別のライブを観に行こうと思う。
購入したCD。ジャケが素敵。

2018年10月25日木曜日

二分間の冒険



娘がもう少し大きくなったら、たくさんの物語を紹介したいなと思い、少しづつ読みためていっています。本書は1985年に発表された児童文学で、昭和60年度に宇都宮市の小学生たちに選ばれて賞を受けた作品でもあります。

私はファンタジー小説が大好きなので、とても期待していたのですが、期待以上に面白く、あっという間に本の世界に引き込まれ、最後まで息つく間もなく読み進めてしまいました。物語にドキドキする感覚は、本を読む醍醐味で、年齢に関係なく、いつだって新しい。

本書の解説では、著者の岡田さんの他の作品にも触れていて、どれも面白そうな予感に溢れていた。ちょっと昭和な感じもして、丁寧な文体から温かみが伝わってくる。娘のためと思いながらも、いい物語に出会えて嬉しくなった。

2018年10月24日水曜日

恋する寄生虫


三秋縋の「恋する寄生虫」を読んだ。恋愛ものを読むのはすごく久し振りな気がする。本のカバーから想像できる、どことなく体温の低い小説だったように思う。できれば、タイトルと背景だけのカバーにして欲しかった。
僕は寄生虫に関する興味も関心も全くなかったのだが、本書を読んで、書かれていた寄生虫をネットで見てみて、その姿を不思議でとてもきれいだなと思った。物語の中では、寄生虫の形のイヤリングも登場するのだけど、そういうデザインは素敵だなとも思った。
物語はちょっと突飛なところと、適度に予測を外れる意外性があって、最後まで没頭して読むことができた。一番意外だったのは著者の三秋さんが男性だったこと。醒めた感じのする文章から、ずっと女性だと感じていた。

2018年10月23日火曜日

サウジ記者死亡事件




上:東京新聞 181020 下:東京新聞 181022
連日話題になっているサウジ記者死亡事件。僕的には、ニュースでの取り上げ方が表面的でメディアの力量不足がひどいことになっているなと感じている。
そんな中で、東京新聞に掲載された2つのコラムは読み応えがあり、また共感をもった。上の師岡氏は、中東では、他にも凄惨で疑いのない人道的が起こっていることに対して国際社会が鈍感であることを指摘し、下の木村氏は、カショギ氏の「人物」に焦点をあてて事件の原因の深さについて言及している。
僕は、どちらかというと師岡さんの主張に近いものを感じていて、他にも注目されるべき人道的問題がほったらかしになっている現状をとても危惧している。世界中で起きているその数があまりにも多いから、きっと(僕も)感覚的に麻痺しているだろうなと思う。
報道(言論)の自由の問題にしても、問題が当たり前すぎて、日本社会では「問題」にすらならなくなってきている様な、ちょっとした感覚麻痺状態にあるじゃないかという気がすごくする。それはとても怖いことなのでけど、もっと怖いのは、それが安定に移り変わってきていることなんだと思う。

2018年10月22日月曜日

超越の棋士 羽生善治との対話




羽生さんの対談本。とても興味深く、とても面白かった。羽生さんは色々なところでインタビューに答えているので、何となく既読感はあったものの、それでも最後まで夢中になって読み進めることができた。

本書は、羽生さんとの対談の合間に、トップ棋士がインタビューで語る「羽生さん」も収録されていて、その内容が「羽生さん」の圧倒的な存在感をより肌に迫るような感覚で伝えていたと思う。中でも森内九段が語るパートは、森内さんの人間味が滲み出ていて、森内さん自身の人柄にも打たれる印象的な内容だった。

羽生さん関連本は、羽生さん自身の著作や、今回のような対談本などたくさん出版されている。僕はだいたい読んでいるのだが、どの本にも共通して言えることは、読後に知的好奇心を刺激された後のような高揚感を感じることだ。

それは将棋以外のことにもやたら詳しい羽生さんの知識や洞察力に「すごい」と思うこともあるのだけど、羽生さんを通じて「将棋」の奥深さ、ゲームとしての面白さを自分なりに体験しているのだとも思う。